喉の違和感 梅核気はストレスが原因

今回のお話は病気というほどではないけどなんだか気になるな…という症状についてです。
「梅核気(ばいかくき)」という症状をご存知でしょうか?字のごとく「まるで喉に梅の種(核)が詰まったような感覚(気)」を表す言葉です。「飲み込もうと思っても飲み込めない感じ」「喉が閉塞している感じ」もこの梅核気に近い症状と言えます。
西洋医学ではヒステリー球と呼ばれています。喉の周辺を検査しても異物や異常があるわけでもないのに本人は喉の違和感を訴えるためなかなか理解されにくいことが多いです。
西洋医学的にみてもストレスを抱えている人に多く見られるそうです。 さて、この梅核気を中医学的にみると原因は大きく以下の2点が考えられます。

①肝気上逆(かんきじょうぎゃく)

肝は現代でいう自律神経の調節に関係する存在です。本来、呼吸するとき気は鼻や口から肺や腎に降りてくるのが正常です。つまり上から下に向かって進むのが本来の呼吸による気の流れと言えます。しかし、肝の働きが乱れると気の流れが上逆(本来の流れとは逆に上に向かう、という意味)してしまうのです。そのため、息苦しさや呼吸が浅く感じられ、喉の違和感にもつながります。梅核気の代表的な原因で、イライラやストレス、鬱々とした精神状態の人に多く見られます。
こんなタイプの人はストレスをうまく発散させる漢方薬がお勧めです。代表的なものは逍遥丸、開気丸、半夏厚朴湯、加味逍遥散、などなどありますが、具体的にどの処方が合うかは人によって違いますので、服用する際は必ずアドバイスをもらうようにしましょう。

②痰湿による気滞

暑い時期になると自然と冷たいものや麺類が多くなります。しかし、そういう食事が続いてしまうと胃腸が冷やされてしまい、消化機能、水分代謝がともに低下してしまいます。すると体の中に余分な水分(痰湿)がたまってしまい、それが喉元に集まると痰が絡んだような状態になります。舌をみたときに苔のようなものが厚く生えている人はまず痰湿の存在を疑います。
こんなタイプの人は気の流れを良くするのと同時に体の中の余分な痰湿を外に排出する漢方薬がお勧めです。勝湿顆粒や温肝湯などがありますが、こちらも処方内容は異なりますので、服用する際は必ずアドバイスしてもらいましょう。

まとめ

冒頭でもお話ししたように梅核気そのものは病気というほどの症状ではないかもしれませんし、あまり気にしてない人も多いかもしれません。ですが、梅核気の症状を感じたときは体からのストレスサインと考えてください。
暑い夏は冷たい飲み物や食事ばかりにならないように、またなるべくストレスを発散できるような生活を心がけてくださいね!

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