産後の抜け毛と漢方

抜け毛の問題は老若男女共通の悩みと言えます。
漢方の世界では抜け毛の原因として血虚(髪は血の余り)と腎虚(腎の華は髪にあらわれる)が挙げられます。
特に産後は出産に伴う出血と、育児によるストレス、睡眠不足が重なるため、特に抜け毛が気になる人が多くなります。
髪の毛を洗うたびに憂鬱になる人も多いですよね。

漢方で抜け毛対策をする

漢方において産後の抜け毛を防ぐためには血虚と腎虚を改善することが重要です。

血虚

漢方における血には体の各組織に栄養と潤いを運ぶ役割があります。
そのため、血の量が減ったり、血の働きが悪くなると体の各組織に栄養と潤いが行き届きにくくなります。特に髪に関しては『髪血余』と言われ、『髪は血の余りである』という考え方があります。
産後にしっかりと血を補うことをしないと抜け毛がひどくなる、ということです。
漢方においては血を補う補血薬を服用することが一般的です。
また生薬であるナツメ(大棗)は胃腸に優しく補血作用も期待できます。
そのままでもプルーンのような感覚なので、胃腸が弱い人はおやつ代わりに食べるのも良いでしょう。
当店でもナツメ(大棗)は産後の養生として購入される方が多いです。

腎虚

『人の老化は腎の老化』と呼ばれるほど、腎は加齢と共に衰えていく代表的な臓の一つです。
そのため、高齢出産をされた方は補血をすること以外に腎を補う補腎薬の服用が大切です。
中国では女性の抜け毛に女貞子や早蓮草などを使用してきましたが、これらも腎を補う生薬です。補腎ができる漢方薬は様々ありますが、補血と補腎が両方できる処方もあるので、体質に応じて服用すると良いでしょう。

まとめ

産後は育児に追われ、自分の体を十分にケアできない人が多いです。
自分の心と体の気血を十分に保たないと心や体の不調が出てきます。その一つが抜け毛と考えても良いでしょう。
産後の抜け毛は数ある産後不調の中の一つです。
抜け毛が気になる方はそれ以外にも、もしかしたら不調があるかもしれません。
ぜひ、漢方による体調管理をしてみてくださいね。

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