産後の便秘と漢方

産後の便秘は相談数こそ多くはありませんが、カウンセリングの中で多い症状の一つです。相談数が少ないのは育児の忙しさの中で『便秘程度は我慢してしまう』という人が多いからかもしれません。
しかし、出産に伴い血と潤いを大量に消耗した母体は腸の潤いが減少しやすく便秘になる事が多いです。
便秘が強く体調不良を招くようであれば漢方薬で対処を試みることをお勧めします。

産後便秘の原因

産後は出産に伴う血や体液の消耗により腸が乾燥しやすくなります。これを血虚腸燥と呼びます。本来であればゆっくりと心身を休め食事を十分にとり養生したいところですが、育児の忙しさから自分の体のケアが二の次になってしまう場合もあります。

血虚腸燥で起こる特徴

  • 便が固く出にくい
  • 排便に時間がかかる
  • 顔色がくすんでいる
  • 皮膚が乾燥する
  • 疲労感が強い
  • 眠りの質が良くない
  • 不安感がある
  • 抜け毛が目立つ

漢方薬とお勧めの食材

産後便秘の原因は血と潤いの減少による腸の乾燥であるため、血や潤いを補いつつ排便を促す漢方薬がお勧めです。
代表的な漢方薬には潤腸湯や麻子仁丸があります。
潤腸湯は血と潤いを補いつつ便通を改善するまさに産後便秘のための漢方薬とも言えます。
潤腸湯が手に入らなければ補血薬と麻子仁丸を併用するのも良いでしょう。
麻子仁丸は補血作用はないものの潤いを補いつつ便通を促します。年配の方の習慣性便秘にも使われます。

お勧めの食材

  • カボチャ
  • ニンジン
  • ジャガイモ
  • サツマイモ
  • サトイモ
  • 山芋
  • 椎茸
  • 肉類
  • 舞茸
  • タコ
  • イカ
  • 小麦
  • 秋刀魚
  • ホタテ
  • ほうれん草
  • 小松菜
  • 玉葱
  • 牡蠣
  • ひじき
  • ブドウ
  • イチゴ
  • サクランボ
  • モモ
  • ライチ
まとめ

冒頭にも書きましたが産後の女性は血と潤いの消耗が起きています。
そのため、血虚による体調不良が起こりやすく便秘もまたその一つです。
たかが便秘と思われがちですが、便秘は体の虚弱のSOSかもしれません。
無理をせずに血と潤いを補い気持ちの良い便通がある毎日を過ごせると良いですね。

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