気血を補う妊活の基礎作り漢方
お客様から『仕事で肉体的にも精神的にも疲労が重く、なかなか妊活に集中できない』というご相談をうけることがあります。
漢方的にこの問題を解決するためには「気」と「血」を充実させる事が重要です。気と血が不足した状態を気血両虚と呼び、妊活の大きな妨げになる場合もあります。
気血とは?
突然ですが、皆さん…お元気ですか?「とても元気です!」という方は少ないかもしれませんね。 当店は妊活を目的としてご来店されるお客様が多いのですが、お話を聞いていると、疲れている人がとても多いです。疲れと一口に言っても精神的に疲れている人や、肉体的に疲れている人など様々です。『気力も体力も落ちているのに、妊活も頑張らなきゃ…』そんなお客様が本当に多いのです。 中医学的にこの問題を考えるには「気」と「血」を充実させる事がとても大切です。気と血が不足した状態を気血両虚(きけつりょうきょ)と呼び、妊活の大きな妨げになる場合もあると考えられます。
中医学的妊活において気と血はとても重要です。
漢方において『気』は心や体を正常に動かすためのエネルギーのようなものです。
「気」という漢字がつく言葉を挙げるとイメージがしやすいと思います。例えば「気持ち」「気配り」「気が張る」「気力」「気分」などがあります。つまり気が足りない人は「気持ちが弱い」「気配りができない」「気が張らない」「気力がわかない」「気分が良くない」という状態になります。
妊活においても気は卵胞を育てる力に大きく影響を与えます。
気が不足した状態『気虚』は、妊活に悪影響を及ぼすことがあります。
「血」は体全体に潤いと栄養を送り届けるものです。
肌も爪も髪の毛も「血」が運んでくる栄養をもとに作られると考えられています。「血」が不足もしくは「血」の働きが良くない状態を血虚と呼び、血虚の状態になっている人は肌荒れがしやすく、髪が細いまたはパサつく、冷え症などの症状が表れやすくなります。
漢方では質の良い卵を育てるためには質の良い「血」が卵巣に流れ込むことが重要と考えます。
「気」は卵胞を元気に育てる力に関係し、「血」は質の良い卵を育てる事に関係すると考えます。
しかし、残念ながら気と血が充実している人は多くありません。
精神的にも肉体的にもハードな仕事や、睡眠時間の低下、喫煙率の上昇、無理なダイエット、食生活の乱れなどから、気血が不足している女性がとても多いです。
せっかく病院で高度な治療を受けていても女性としての根本的な体質が乱れていては、良い結果も出にくくなります。
「気」と「血」を充実させていくことは妊活においてとても大切なことです。
「気」と「血」を補うには十分な睡眠、適度な運動、バランスの良い食事が不可欠です。しかし、自分の体質に合った養生が分からない人も多いと思いますし、実行するとなるとなおの事難しいと思います。 そんな場合には気血を補う漢方薬をとりいえることをお勧めします。
気を補う漢方薬と食材
気には食べたものを消化し吸収する事で得られる『穀気』と呼吸によって作られる『宗気』があります。そのため、胃腸が強く適度な運動習慣がある人は穀気・宗気ともに充実します。
人参や黄耆など気を補う生薬が含まれた漢方薬や、胃腸の働きを良くする漢方薬がお勧めです。
補中益気湯や麦味参顆粒、玉屏風散、四君子湯、六君子湯などが有名ですが、それぞれ特徴が異なります。服用の際は必ずご相談ください。
気を補う食材
- ニンジン
- ジャガイモ
- サツマイモ
- サトイモ
- 山芋
- 舞茸
- 椎茸
- 肉類全般
- 鰻
- 鱈
- 鮭
- 秋刀魚
- 鯖
- 鰹
- 鰯
- タコ
- イカ
- 米
- 卵
- 小麦
- 生姜
血を補う漢方薬と食材
女性は定期的に生理時に出血するため、積極的に血を補う漢方薬や食材をとりましょう。
漢方の世界では『女子は血を以て本と為す』という言葉もあるくらい、女性の健康に血は基本となります。
血を補う漢方薬には四物湯や婦宝当帰膠、帰脾湯、参茸補血丸などあります。
特徴が異なるため服用の際は必ずご相談ください。
血を補う食材
- 肉類全般
- 赤身の魚全般
- 鰻
- アサリ
- シジミ
- 牡蠣
- ひじき
- 卵
- ほうれん草
- 小松菜
- 玉葱
- ニンジン
- イチゴ
- ブドウ
- 棗
- 桃
- ライチ
忙しい毎日は気血の消耗を招き、女性としての生理機能にも悪影響を及ぼすことがあります。
日頃から、気血を補う食事や漢方薬を取り入れて、心身のケアに努めてください。