適応障害に対する漢方的考え方
こんにちわ、宇都宮市・天明堂薬局の中山です。
新年度が始まり、新しい環境・人付き合いが始まって緊張の毎日を過ごされている人も多い事でしょう。
実際、当店でも3月中旬辺りから適応障害やそれに類似した相談が増えています。
今回は適応障害に対する漢方的な考え方を書きたいと思います。
そもそも適応障害とは【ストレスにうまく対処できず、抑うつや不安感を生じ、生活に支障をきたすもの】を言います。
この点は漢方では肝気鬱結、気虚を考えます。
漢方において『気』は心と体を動かすエネルギーのような存在です。
・気持ちが良い
・気配りができる
・気丈に振舞う
・気力がある
・やる気がある
などの言葉からも分かりますね。
気がなければ
・気持ちが弱い
・気配りができない
・気丈に振舞えない
・気力が沸かない
・やる気がない
ということです。
そのため、気が不足している気虚の状態になっている人は注意が必要です。
気虚に特徴的な症状として
・疲れやすい ・立ち眩みをする ・声が弱い ・軟便or便秘 ・顔色が良くない
などが挙げられます。
気はないよりもあったほうが良いわけですが、【ただあればよい】という事ではありません。
気は常に止まることなく流れていることが大切で、気の巡りが悪くなった状態を【気の巡りが鬱滞する】と呼びます。
私たちが何気なく使っている言葉【鬱になる】はまさに【気が鬱滞している】という状態なのです。
体の中で気の巡りに重要な役割をしているのが【肝】です。
肝には疏泄機能というものがあり、これが気と血の巡りをコントロールしています。
肝の働きが悪くなると疏泄機能が低下し、気血の鬱滞を起こし、血行不良や鬱、イライラを起こします。
このように、新しい環境や人付き合いからくるストレスに負けないようにするためには
【気を増やして、流す】
が重要です。
そのために重要な事が
・朝ごはんと昼ごはんをしっかり食べ、夜ご飯は軽めにする
・睡眠時間は7時間確保できるように、1日のタイムスケジュールを管理する
・午前中(できれば朝)に軽めの運動をして気血を流す
・お酒を控える
などです。
それでも、不安感や鬱々とした気持ちになる場合は漢方薬を服用しましょう。