過剰な水分摂取がもたらす眩暈と漢方薬
こんにちは、宇都宮市・天明堂薬局の中山です。
今日の最高気温は36℃ですか…、ちょっと外出するのもためらうような暑さですね。
さて、こんな暑い日が続くと水分補給がとても大切になってくるのですが、中には水分を摂りすぎてしまって体調不良を起こす場合もあります。
その代表的なケースが眩暈ではないでしょうか?
漢方や中医学の世界では眩暈を起こす原因の一つに水飲(すいいん)と痰湿(たんしつ)のような水が関わるものがあります。
水飲とは過剰な水分摂取や胃腸機能の低下によって停滞した水分です。
冷たい水をゴクゴクと飲んで、お腹がチャポチャポとしているような状態と言ってよいでしょう。
水飲は気血の巡りを停滞させるため、特に気を頭部へと運ぶ力が低下してしまうと頭のふらつきや眩暈を起こしてしまいます。
過剰な水分を摂っている場合は水分の取り方を気をつければ改善されますが、胃腸機能の低下によって発生している場合は胃腸の働きを改善しながら水分代謝を良くする漢方薬を服用することも大切です。
代表的な処方には勝湿顆粒や苓桂朮甘湯などが挙げられます。
水飲によるめまいの改善は比較的早いです。
困ってしまうのは痰湿による眩暈です。
痰湿は水飲が長期的に停滞して、粘り気を持ったような水分になっている状態です。
痰湿が発生していると頭重感や胸のつかえ、悪心、口の中の粘りなどを感じるようになります。
このような場合は単純に水を飲み方を気をつけるだけでは改善が難しく、半夏白朮天麻湯や温胆湯、半夏瀉心湯のような痰湿を改善する漢方薬を服用しましょう。
このようにめまいには様々な原因があります。
【めまい=○○】という処方の決め方は症状に合わない選択をする場合もあるので、必ずご相談の上、服用を検討してくださいね!