肩こりの原因を漢方的に考える。その②
こんにちわ、天明堂薬局の中山です。
前回から書いている「肩こり」について。
前回は、冷たい風が当たることによって発生する「風寒侵入タイプ」の肩こりをご紹介しました。
今日は実に面白い肩こりの原因、「痰湿凝滞タイプ」についてです。
この「痰湿凝滞」とは現代風に簡単に訳すと
「体の中に過剰な水分が溜まることで気血の巡りが悪くなる状態」
となります。
「気血の巡りが悪くなる」という表現が現代風ではないと言われてしまいそうですが、
とにかく余分な水のせいで体が凝り固まる、とイメージしてください。
湿には外湿、内湿の2種類があります。
外・内の違いは
外湿→雨や雪など気象条件による体の外の過剰な水分
内湿→体の内側の過剰な水分
となります。
6月に入ると梅雨になるため、外湿が高まります。
日頃から浮腫み傾向の人は内湿が多いため、来月くらいになると内外の湿が高まり
痰湿凝滞タイプの肩こりを発症する人が増えてくるでしょう。
このタイプの肩こりを改善するには体の水分代謝を改善する生活をするのが一番です。
・汗をかくような運動や十分な入浴時間を持つこと
・水分代謝の基本である胃腸を冷やすような食事をとらないこと
・塩分、糖分の過剰摂取を控えること
など、食事と運動による改善を試みるようにしましょう。
それでもなかなか改善しない場合は「化痰・滲湿・散寒・止痛」を目的とした漢方薬を服用します。
代表的なのは二朮湯や防己黄耆湯などがありますが、服用する際は体質などを考慮して服用することが大切です。
そしてくれぐれも漢方薬と並行して食事、運動、生活習慣を見直すことをお忘れなく。
次回はイライラが引き起こす肩こり!!??ストレスからくる血行不良タイプの肩こりについて書いてみたいと思います。