高齢者の体を中から潤わす漢方薬
こんにちは、宇都宮市・天明堂薬局の中山です。
秋から冬への足音が聞こえる今日この頃、気温がグッと下がると比例して湿度も下がりお肌の乾燥に悩まれている方も多いと思います。
今日はそんな秋冬の乾燥にお勧めの漢方薬を一つご紹介したいと思います。
秋冬の乾燥を防ぐには五臓の中の腎と肺がポイントになります。
漢方において腎は『水を主る』という働きがあります。
イメージとしては腎は体の水瓶のような存在です。
腎は女性であれば7の倍数、男性は8の倍数で盛衰がみられ、女性は28歳、男性は32歳をピークに加齢と共に衰えていくと考えられています。
加齢と共に肌の渇き、口の渇きなどドライシンドロームに悩まされるのも、腎の衰えが起因していると言えるでしょう。
加齢と共に水瓶が小さくなり、蓄えられる水の量が減っていく、とイメージすると分かりやすいかもしれませんね。
このタイプの人が秋から始まる乾いた風の影響を受けるとさらに乾燥症状は酷くなります。
なぜなら肺は乾燥に弱い臓だからです。
肺は『水道を主る』という働きがあります。
肺は全身の水の流れをコントロールしていると考えられるため、肺が弱ると全身に水を供給する力が低下します。
肺が弱ると痰や鼻水が目立つようになるため、症状がある人は肺の弱りを疑うと良いでしょう。
漢方薬は肺を潤わし、腎を強化するものを
漢方薬には腎と肺を両方潤わす素晴らしい処方があります。
それが八仙長寿丸(商品名は八仙丸(はっせんがん))です。
六味地黄丸に麦門冬と五味子を加えた処方で高齢者やアトピー患者の乾燥症状に体質改善の目的で使用されることが多いです。
口に渇き・空咳・手足の火照り・乾燥肌・しわなどが気になる方にお勧めです。
何より八仙丸は漢方薬の中でも比較的リーズナブルなのも嬉しい点です。
おおよそ1か月6,000円程度なので、秋冬の乾燥対策にまずは八仙丸から試してみるのも良いでしょう。