妊活において漢方ができる事
こんにちは、宇都宮市・天明堂薬局の中山です。
今日は不妊・妊活治療において漢方がどの様に役立てられるのかを私の視点で書いてみたいと思います。
不妊や妊活治療において病院では
・排卵誘発剤
・ホルモン剤
などを使用することが多々あります。
これらは非常に西洋医学的な考えのもとで服用されます。
つまり、数値を見て、その数値を調整するお薬を服用します。
卵巣の働きが弱かったら(積極的に働かせたかったら)、卵巣を刺激する薬を服用する。
ホルモンの値が低いならホルモンを補う薬を服用する。
そんなイメージだと思います。
しかし、漢方は少し視点が違います。
漢方には女子以血為本(女性の生殖・美容・健康の基本は血である)という考え方があります。
つまり、体の各組織に栄養と酸素を豊富に含んだ血が循環すれば、新陳代謝が高まり細胞本来の働きが高まると考えます。
家を建てる時の大工さんを例に挙げましょう。
あなたは立派な新築の家(質の良い卵)を建てようと思い、工務店(卵巣)に依頼しました。
しかし、その工務店の大工さんは少しお疲れ気味の様です(FSHの上昇など)。
さらに資材は乏しく、資材を運んでくるトラックも渋滞にハマっています(血行不良)。
さて、この状況で立派な家を期日内に建てるためにはどうすればよいでしょうか?
働きの悪い大工さんに鞭を打って働かせますか?
時にはそういう必要もあるでしょう。
しかし、そんな鞭を継続したら大工さんはどうなりますか?
おそらく疲れてしまって元気がなくなってしまいます(卵巣の機能低下)。
さらに無理に働かせても、資材(血)が入ってこなくては家を建てられません。
この場合、必要な事は、
・大工さん本来の力を高める事
・資材をしっかり詰めるトラックを用意する事
・トラックが渋滞しないように交通整備をする事
ではないでしょうか?
これが漢方でいうところの【質の良い血を増やして、血流を良くする】ということです。
動かないものは動かせばいい、足りないものは補えばいい。
聞こえはいいですが、これは根本的には何も解決しません。
漢方は【根本的に問題になっている事】にアプローチしていきます。
そこが不妊・妊活における漢方の魅力だと思います。
そういう意味でも西洋薬と漢方は非常に相性が良いと思います。
中国では中西医結合と呼び、西洋医学と中医学(漢方)が手を組むことで良い結果を生み出そうという考え方があります。
日本でも病院と漢方の専門家が手を組んでより良い成果を出せて行けたらいいなぁ、と思うこの頃です。
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