漢方における【補血】ってなんだ?
「補血」とは聞きなれない言葉かもしれませんが、少し砕いて言い換えると「質の良い十分な量の血液を作ろう」ということです。
漢方や中医学における「血」は西洋医学における「血液」とは似た部分もありますが、少し違う部分もあります。
漢方や中国医学における「血」には以下の働きがあります。
・体に栄養や潤いを与える働き
・体を温める働き
・精神活動を安定させる働き
そのため、血が不足したり働きが悪くなると…
体に栄養や潤いが行き渡らない
・乾燥肌 ・肌荒れ ・髪がパサつく ・肩こり(揉まれて痛むタイプ) ・めまい ・立ちくらみ ・こむらがえり ・爪がもろい ・眼精疲労
体が温まらない
・冷え症 ・冷えのぼせ ・しもやけ ・顔色がよくない
精神活動が不安定になる
・不安な気持ちになる ・寝つきが悪い ・眠りが浅い ・やる気が出ない ・マイナス思考になる
等の症状が表れやすくなります。
このように血の働きが不十分であったり不足していることを「血虚」と呼びます。
【血虚を改善する漢方薬とお勧めの食材】
血虚を改善する漢方薬を補血薬と呼びます。
多くは四物湯を基本処方として、様々な処方が考案されています。
特に有名なのが、婦宝当帰膠、帰脾湯、参茸補血丸、十全大補湯などです。
それぞれに特徴があるため、服用の際は必ずご相談ください。
お勧めの食材として
・肉類全般 ・赤身の魚全般 ・鰻 ・アサリ ・シジミ ・牡蠣 ・ひじき
・卵 ・ほうれん草 ・小松菜 ・玉葱 ・ニンジン ・イチゴ ・ブドウ
・棗 ・桃 ・ライチ
などが挙げられます。
【まとめ】
漢方は若い人にはあまり馴染みがないかもしれません。
しかし、過去が今を、今が未来を作ることからも、今、心身ともに健康に過ごすことは将来的な健康、ひいては幸せにつながっていきます。
十分な睡眠、運動、休養、そして体質を整える漢方薬で将来に向けた健全な心身を作りましょう。