高齢での妊活に必要な漢方薬『補腎薬』とは…

こんにちわ、宇都宮市・天明堂薬局の中山です。

早いもので4月もそろそろ中間点、GWの話題も少しずつ出てきていますね。
皆さんは今年のGWはもう予定は立てましたか?
私は、どこに行っても混みそうで、二の足を踏んでいるところです。

さて、タイトルについてですが、中医学や漢方の世界では「女性35歳、男性40歳からの妊活には腎を補うことが大切」という認識があります。

中医学や漢方における腎は西洋医学における『腎臓』とは少し違い、生殖などにも関わるものと考えています。

女性は35歳、男性は40歳あたりから腎の弱りが際立つようになりますが、それすなわち生殖能力の低下も目立つようになるということです。

特に女性の『35歳』という数字は、西洋医学的に言われる『高齢出産』の年齢とも合致しており、不思議な偶然にも思えます。

そのため、女性35歳、男性40歳からは腎の働きを補う『補腎薬』を服用することが大切になります。

しかし、補腎薬も、細かく見ると『補腎陽薬』『補腎陰薬』に分かれます。

少し難しい判別にはなりますが
補腎陽薬→腎の陽(温める力、動かす力)を高める
補腎陰薬→腎の陰(潤いや精、血)を高める

と考えても良いでしょう。

つまり、卵の質が良くない場合は補腎陰薬をベースに考えて良いと思います。

高温期の温度上昇が弱かったり、高温期の日数が短ければ補腎陽薬をベースに考えても良いでしょう。

そのため、
生理が来てから排卵日まで→補腎陰薬
排卵日から生理が来るまで→補腎陽薬

という使い方も、ざっくりとした考え方ではありますが、『あり』だと思います。

もちろん、漢方薬は体質に応じて使い分ける必要があるので、厳密にはカウンセリングをしたうえで内容を考えます。

【妊娠のしやすさ】は、あくまでも生殖器の状態の善し悪しであるため、実年齢ではありません。

しかし、年齢と共に生殖能力が低下することも事実です。

妊活を早く成就するためにも、女性35歳、男性40歳を過ぎたら、補腎薬だけでも服用していきましょう。

中山 貴央

中山 貴央先生

  • 薬剤師
  • 国際中医専門員
  • 薬膳コーディネーター

子宝相談、婦人科相談、美容相談を専門としています。
唯一無二の自分の心と体、そして人生だからこそ根本から改善できる漢方を試していただきたいと思っています。