『火照りやすい体質』にも2種類あります
こんにちわ、宇都宮市・天明堂薬局の中山です。
今日は火照り症について漢方的に解説していきます。
ただ、一口に火照り症と言っても細分化するとかなり難しくなるので、今回は『虚熱』と『実熱』に分けて書いてみます。
虚熱と実熱を漢方的に考えた時にキーワードになるのが『陰陽のバランス』です。
ざっくり分かりやすく書くと
陽→温かい、上昇、活動、明るい
陰→冷たい、下降、休息、暗い
と考えても良いでしょう。
私たちが日常的に使う言葉『陽気な人、陰気な人』も
陽気な人→活動的で明るく、声が大きくて、温かい人
陰気な人→活動的ではなく、動きがあまりなく、声が小さく、熱さを感じない人
と、考えるとイメージしやすいですね。
陰と陽はどちらが良い悪いという事ではなく、バランスが重要です。
特に火照り症の場合は『陰陽のバランスが崩れ、陽が過剰な状態』と考えます。
陰陽のバランスが崩れるのは大きく二つ原因があります。
①陰は正常だが、陽が多すぎて、陽に傾いてしまう
②陽は正常だが、陰が不足して、陽に傾いてしまう
この2点です。
①の場合を実熱(過剰な熱がある)、2の場合を虚熱(陰の不足による熱)と考えます。
①の実熱の人は過剰に熱を溜め込んでいる生活をしているので、
・食べすぎ、アルコールの飲みすぎ、辛いものの食べ過ぎ、体力がある、
精神的に攻撃的
などの特徴があります。
②の虚熱の人は陰の不足が原因になっているので、
・更年期や老年期、水分不足、慢性疾患による衰弱、疲れやすい
などの特徴がみられます。
このように一口に『火照り体質』と言っても原因がまったく異なるため、改善のために使われる漢方薬も異なってきます。
実熱タイプの火照り症であれば、過剰な熱を排除する漢方薬が選ばれます。
虚熱タイプの火照り症であれば、陰を増やして陰陽のバランスを整える漢方薬を選びます。
具体的にはその他の体質などを考慮して処方を選ぶので、注意が必要です。
火照り症ならこの漢方薬!
と決めつけて考えるのはとても危険です。
火照り症の本質を見極めて漢方薬を選定するようにしましょう。