八味地黄丸が合わない体質をご存知?
こんにちは宇都宮市・天明堂薬局の中山です。
寒くなると増えてくるのが高齢者の夜のおトイレ問題です。
ただでさえ高齢者は睡眠効率(横にっている時間の内、どれくらい寝ているか)が低下してきます。
そこに夜の尿意が加わることでさらに睡眠効率が低下してしまい、熟睡できなくなります。
睡眠効率が下がると認知症や鬱、ぼーっとする、思考力の低下などを招くため、実は夜間トイレ問題は侮れないものです。
夜間頻尿と漢方と聞くと、多くの雑誌やSNS、メディアなどで八味地黄丸がお勧めと言われています。
確かに八味地黄丸は腎の働きを良くする漢方薬であるため、尿のトラブルの柱になる漢方薬でもあります。
しかし、万人に効果的かというとそれは間違いです。
その理由は八味地黄丸の構成生薬にあります。
八味地黄丸は六味地黄丸に肉桂と附子が入っています。
肉桂と附子はとても温める性質があります。
そのため、八味地黄丸はあくまでも【冷えを伴っている状態】が服用の大前提となります。
逆を言えば
・火照り症
・のぼせやすい
・おしっこが黄色い
・香辛料や揚げ物、酒を好む
などの特徴がある人はかえって体調を崩してしまう場合もあります。
当店でも
『病院やドラッグストアで八味地黄丸を服用してから眠れなくなったのだが、これは副作用か?』
と、相談を受ける事があります。
これは副作用ではなく、体質に合わない漢方薬を飲んだことが原因なのです。
だからこそ、自分の体質に合っている処方なのかどうかをプロに判断してもらうことが大切になります。
まとめ
冬の夜、寒い中、トイレで眼が覚めるのはとても辛いですよね。
できる事なら朝までぐっすりと寝ていたいものです。
そのために漢方薬はとてもお勧めです!
だからこそ、かならずご相談の上、自分の体質に合う漢方薬を服用してくださいね。