加齢からくる不眠と補腎薬
こんにちは、宇都宮市・天明堂薬局の中山です。
みなさん、睡眠の質はいかがでしょうか?
歳を重ねるといまいち熟睡感がないことで悩む人も増えてきます。
その感覚はデータを見ても明らかなことで、
深いノンレム睡眠の減少は30代からすでに始まり、
40代後半には10代よりも60~70%減少し
70歳になると10代よりも80~90%減少することが分かっています。
加齢による睡眠の質の低下は【避けられない事実】なのかもしれません。
しかし、だからと言って何も手を打たないのも良くありません。
漢方や中医学の世界では不眠についてのあらゆる考察がなされ、加齢からくる不眠についても様々な漢方薬が考えられています。
今回はそんな加齢からくる不眠と漢方薬について書いてみたいと思います。
40代後半以降で睡眠に心配がある方はぜひ最後までお付き合いください。
人の老化は腎の老化
【人の老化は腎の老化】と言われるほど、人間の老化現象には五臓の中の一つ【腎】が深くかかわると考えられています。
そして睡眠においても【腎】の働きは非常に重要な役割を担っています。
漢方や中医学において五臓の【心】と【腎】は火と水の関係にあると考えられています。
心火と腎水は(心火=陽 腎水=陰)の関係にあり互いにバランスをとることで精神的にも肉体的にも平衡を保ってます。
腎水が衰えて心火を抑えられなくなると心身が火、つまり興奮状態になり質の良い睡眠が難しくなってしまうのです。
これを心腎不交(しんじんふこう)と呼びます。
・ソワソワしたり、落ち着きがない
・手足の裏が熱い
・寝汗をかく
・口が渇く
・物忘れが目立つ
このような症状が目立つ場合は心腎不交が起きている可能性高いと考えられます。
腎陰を補う漢方薬を
ではどうすれば改善するのか?
それは今までの話の流れをみればシンプルな結論です。
【腎陰を補い、心火を抑える】という漢方薬を服用することが良いと言えます。
有名なところでは瀉火補腎丸や天王補心丹などがありますが、具体的な漢方薬はその他の体質なども考慮して選定する必要があるので、服用の際には必ずご相談ください。
まとめ
加齢からくる睡眠の質の低下は避けることが出来ません。
しかし、体質を改善する漢方だからこそ、その影響を最小限にする可能性はあると考えています。
悪くなる睡眠の質を少しでもいい方向にもっていくため漢方・中医学の対策をお試しください。