高齢者の不眠は【腎】を補う事から
こんにちは、宇都宮市・天明堂薬局の中山です。
さて、早々に高齢者にはショッキングな事を書いてみたいと思います。
歳を重ねると眠りの質が落ちていくのは皆さん体感としてあると思います。
【寝ても疲れが取れにくくなったな…】
【夜中に起きてしまう事が増えたな…】
【ちょっとした物音で醒めてしまうな…】
そんなことが増えているはずです。
加齢と睡眠の深さを調べた実験では脳の疲労などを回復する【深いノンレム睡眠】は30代ごろから徐々に減少し、
40代後半→10代よりも60~70%減少する
70代→10代よりも80~90%減少する
ということが分かっています。
しかし残念なことに、徐々に減少していくがゆえに【異常な事】であることに気が付かず、それこそ【朝起きても何となくすっきりしないなぁ】程度に考えてしまいます。
さらに睡眠の質を悪化させるのが、膀胱の老化です。
加齢により膀胱の機能が低下することで、継続可能な睡眠時間が減ってしまいます。
これを『睡眠効率の減少』と呼びます。
睡眠効率は80代になると10代よりも70~80%も低下してしまいます。
このように加齢と共に深い睡眠を得にくくなり、また、継続睡眠時間も低下していくのです。
このような睡眠はうつ病、認知能力低下、物忘れ、頭のぼんやり感を引き起こします。
最近、あまり眠れている感じがなく、頭がぼんやりし、物忘れが多く、精神的にも元気が出ない場合は睡眠に問題ありと考えても良いでしょう。
加齢による不眠 まずは腎の改善から
漢方における【腎】は膀胱と密接に関係があるため、腎が弱ると頻尿や尿切れの悪さなどの症状が目立つようになります。
また、心と腎の関係も崩れてしまいます。
腎の陰の働きは心の火が過剰になる事を防いでいるのですが、腎陰が不足すると心火が過剰になり、心の不調(イライラ、煩躁、不眠)を引き起こします。
このように、腎は膀胱機能の安定や、睡眠の質の向上の点でも非常に重要な臓です。
腎は女性であれば28歳、男性であれば32歳あたりから老化が始まると考えられていますが、この点も【深いノンレム睡眠】が30代から減少傾向になるとうデータと非常に近いものがあります。
30歳越えたら補腎薬を
人は老化していきます。
しかし、日々の生活や体質によってそのスピードには差があります。
特に40歳を超えると徐々に腎の衰えからくる体調の変化に気が付く事でしょう。
その中の一つが、【睡眠の質の低下】なのです。
早め早めに腎の働きを良くする漢方薬をスタートさせてみてください。
良い睡眠はあなたの人生をもっと素敵にしてくれるはずですよ(^^♪