カフェイン クラッシュの恐怖
こんにちわ、宇都宮市・天明堂薬局の中山です。
今日はカフェインクラッシュについて少し書いてみたいと思います。
カフェインクラッシュについて書くには、まず睡眠に関わる物質であるアデノシンについて簡単に書く必要があります。
アデノシンは起床時中、常に分泌されている物質で、ある一定以上を超えると【眠気】を感じます。
これはコップに水を入れている状態に似ていて、起床時が空のコップだとすると、そこに少しずつ水を注いでいき、溢れた時点が【眠気】という具合です。
一般的には起床してから12~16時間で眠気が出るようになります。
カフェインはアデノシンを感受する受容体をブロックします。
そのため、本来は【眠気】があるはずなのに【眠気の信号を遮断】します。
カフェインドリンクが深夜のもうひと頑張りに使われる理由がまさにこれです。
しかし、怖いのはカフェインで眠気の信号を遮断していてもアデノシンは起きている限り分泌され続ける、ということです。
カフェインで眠気を遮断していても、カフェインが切れたころには膨大なアデノシンが眠気を引き起こし、場合によっては気絶するかのように寝てしまう事があります。
これがカフェインクラッシュです。
私がカフェインクラッシュについて怖いと思うのは運転中です。
日頃から睡眠不足をしていたり、仕事の都合で長時間寝ていない人が、コーヒーなどのカフェインドリンクを飲んで眠気を抑えながら運転していることがあります。
交通事故を起こした人の証言の中には【事故前の記憶がない】というものを耳にすることがあります。
これは、もしかしたらカフェインクラッシュが原因になっているものもあるのではないでしょうか?
運転前の記憶がない
運転前に朦朧としていた
と聞くと、持病があるのかな?と思いがちですが、日頃からの睡眠不足とその日に摂取したカフェインの量も気になるところです。
睡眠不足をカフェインで抑えることは【眠気の時限爆弾】のスイッチを押すようなもの。
このような悲しい事故を防ぐためにも、夜更かしをせずにしっかりと寝る事、眠い時はカフェインで自分をだますことなく、仮眠をとるようにしたいですね。