漢方による不眠の改善基準とは?
ベッドに入ればすぐに寝落ちし、1度も起きる事なく翌朝起床し、すっきりした頭と心で1日をスタートできる、しかも睡眠時間は7~8時間というのが不眠症改善のゴールでしょうか?
確かにそんな質の良い睡眠を毎日できたら、とても幸せですよね。
しかし、不眠の改善をするうえで、目標を高くし過ぎる、というのはかえって良くありません。
【加齢と共に減る【深いノンレム睡眠】の時間】
人は入眠するとノンレム睡眠→深いノンレム睡眠→レム睡眠→ノンレム睡眠…と繰り返しています。
この中で深いノンレム睡眠は脳の老廃物(βアミロイドなど)を除去する大切な時間です。
深いノンレム睡眠は脳の疲労をしっかり取り、翌朝、すっきりした思考で1日をスタートさせます。
起床時に頭がぼーっとして、脳の疲れが取れていない感覚がある人は要注意ということです。さらに怖いのは脳の老廃物が掃除されず蓄積していくと認知症を引き起こすリスクが上がるということです。
毎日を健康的で楽しくスタートするためにも深いノンレム睡眠が重要なのですが…、残念ながら深いノンレム睡眠は30代から減少していきます。
40代後半にもなると10代と比較して60~70%減少し、70歳になると10代よりも80~90%も減少するとも言われています。
高齢と共に認知症を発症しやすくなる原因の一つに睡眠の質の低下が関与しているのではないでしょうか?
【不眠改善のゴールは10代に戻る事?】
さて、そんな現実を知った後に、今一度【不眠を漢方で改善する時のゴール】とはなんでしょうか?睡眠の質が10代のころまで戻る事でしょうか?
大切なことはゴールを厳しくし過ぎてはいけない、ということです。
【今までよりも良くなった】この感覚がとても大切です。
漢方や中医学において大切なことは今までの自分より少しでも改善していると実感することです。。
その積み重ねを継続していく事が大きな改善につながります。
【まとめ】
年齢と共に睡眠の質が低下することは避けられません。
しかし、生活習慣や体質的問題により睡眠の質が低下している事も多く、漢方はそれらの体質的問題を改善していく事でより良い睡眠を手に入れる事を目標とします。
焦ることなかれ、でも、確実に進むべし
それが不眠改善の極意なのかもしれませんね。