悪夢に悩んでいる人の体質的特徴
こんにちわ、宇都宮市・天明堂薬局の中山です。
人生のおよそ1/3~1/4を占める睡眠時間。
その時間を悪夢にうなされるのは辛いことですよね?
悪夢と漢方の関係では有名な空想上の動物が挙げられます。
それが『獏』です。
獏は邪気を追いはらう空想上の動物で、悪夢を食べるという特性があります。
日光東照宮にも獏の彫刻が彫られているのは有名ですね?
戦国武将は獏の屏風絵を枕元に飾ったり、獏の絵を描いた服を纏って寝ていたそうです。
屈強な戦国武将が『悪夢なんて見たくなーい』と嘆いている姿を想像するとちょっとかわいいですね(笑)
そういえば、私が若いころには夢に出てきてほしい人の写真を枕の下に置くと夢に出てくる、なんてありましたが、それに近いのかも?
今も昔も悪夢を見たくない、というのは変わらないのでしょう。
さて、当店に漢方相談に来ていただいた人は一度は必ず
『悪夢を見ますか?』
と私に質問されているはずです。
そう、『悪夢を見る』というのも体調不良が原因と考えているからです。
漢方の世界において悪夢を見てしまうのは痰濁(たんだく)という体調不良があると考えます。
痰濁とは少し難しい言葉ですが、分かりやすく砕いて説明すると
体の中に不要な水分が過剰に溜まってしまい、それが長期化して粘り気を帯びた状態
です。
これでもまだ、少し難しいですね(笑)
胃腸虚弱者が水分を大量に飲んで水分代謝が悪化してしまい、その状態が長期化している状態
と、いっても差し支えないかと思います。
胃腸虚弱は、単に胃腸が弱い、というだけでなく
・暴飲暴食をした
・消化の悪いものを食べた
・ストレスにより胃の動きが悪い
なども挙げられます。
こう考えると
日々ストレスを感じていて、帰宅すると夕ご飯は揚げ物などを中心にドカ食いする。
それによって胃もたれや消化不良を起こし、体も浮腫みがちな人。
というのが、近いかもしれません。
痰濁の濁はまさに『濁った状態』です。
体に悪い食べ物、体に不要な水分が溜まり、まさに体が濁った状態が悪夢を見させるのかもしれません。
その場合は、体の余分なものを排出し胃腸機能を改善する漢方薬が良いでしょう。
代表的なものには温胆湯(うんたんとう)があります。
当店で扱っている温胆湯には獏の絵が描かれています。
なるほど、温胆湯は獏のような漢方薬、ということですね。