不眠症改善の漢方薬は原因によって使い分けましょう
こんにちわ、宇都宮市・天明堂薬局の中山です。
今日は不眠症に使う漢方薬も原因によって使い分けが必要、ということについて書いてみたいと思います。
一口に不眠症と言っても漢方では大きく5つの原因に分けます。
具体的には
①疲労からくる不眠
②貧血などからくる不眠
③ストレスからくる不眠
④食べすぎによる不眠
⑤老化性の不眠
が挙げられます。
不眠症の漢方薬というと酸棗仁湯が有名ですが、酸棗仁湯は①や②が原因によって起こる不眠に効果が期待できます。
しかし、日中に口論や争いごとがありイライラしたり頭痛を併発しているような不眠、特に入眠困難の場合は加味逍遙散や柴胡加竜骨牡蠣湯など気の巡りを良くする漢方薬や頭部に溜まった気を降ろす漢方薬が良いでしょう。
うっかり食べすぎてしまった場合は消化を助ける漢方薬が良い場合もあります。
良い睡眠のために消化薬を服用するという考え方は漢方独特ですよね。
最後に老化性の不眠は漢方的には陰陽のバランスを整える、いわば体質的な改善が必要となります。陰陽のバランスが乱れ、心の興奮を抑えられない場合は天王補心丹などをベースに、体質に応じた漢方薬を使うことが多いです。
このように一口に不眠に使う漢方薬と言っても様々な種類があり、使い分けが必要となります。
『不眠の漢方薬は○○』と安易に決めることは漢方薬の本来の良さである『体質や症状に応じた細やかな使い分け』が出来なくなる事もありますので注意が必要です。
快適な日中は良い睡眠から。
漢方薬で気持ちの良い春を過ごしていきましょう!