不眠の原因をシリーズで解説その③
こんにちわ、宇都宮市・天明堂薬局の中山です。
今日も漢方による不眠の解説、その③となります。
今回ご紹介する不眠は高齢者や更年期の方に多い、心腎不交タイプです。
心腎不交と聞くと少し難しいですね。
『心と腎が正常な交わりをしていない(バランスを崩している)』という意味ですが、
漢方の世界では心は火、腎は水に関わるとされています。
火は陽、水は陰であるため、心と腎が正常なバランスを保たないと陰陽のバランスの乱れを起こします。
特に心腎不交は腎の水が心の火を抑えられなくなる、という関係性で、
体が陽に傾き、興奮状態になりやすく、入眠困難や浅い睡眠、何度も目が覚める、
などの不眠症状を起こします。
一般的に腎については『人の老化は腎の老化』という言葉もあり、加齢と共に腎は衰えていきます。
そのため、高齢者や更年期の人は陽を抑えることができず、不眠を起こしやすいのです。
もちろん、高齢者や更年期の方でも陰陽のバランスがとれていれば問題はありませんし、若い方でも陰陽のバランスが乱れていれば心腎不交を起こします。
心腎不交による不眠の人はその他にも
・気持ちが落ち着かない ・火照りやすい ・口が渇く
・物忘れ ・耳鳴り
などの特徴がみられます。
このような体質の場合は心の陽を抑え、腎の陰を補う漢方薬がお勧めです。
食事の面でも香辛料や揚げ物、夕食の食べ過ぎを控えることが大切です。
夏野菜などを食べると陽が抑えられ、陰が増えるので良いかもしれませんね。