眠れない原因を間違えると大変なことに…漢方的不眠の原因アレコレ
こんにちわ、宇都宮市・天明堂薬局の中山です。
皆さん、眠れていますか??
唐突な質問かもしれませんが、春先は「眠れない…。眠りが浅い…。」など、不眠に関するご相談が増えてきます。
質の良い睡眠はそのまま日中の質にも影響するので、しっかりと疲労が回復するような睡眠をとりたいですよね。
しかし、一口に「不眠症」と言っても漢方的な視点では、大きく2タイプに分かれます。
いわゆる「虚証の不眠」と「実証の不眠」です。
今日のブログはそんな虚証不眠と実証不眠について、分かりやすくポイントを絞って説明したいと思います。
そもそも理想的な睡眠は五臓の中の「心」が正常に働いていることが大切です。
「心(しん)」は「神(精神)が舎る臓」とされているため、西洋医学的な役割以外にも、思考や精神活動の中枢という考えがあります。
心の働きを正常にするうえで必要な気・血が不足しても良くないし、
心の働きを正常にするうえで邪魔なものや余計なものがあっても良くありません。
なんでもそうですが、なさ過ぎてもだめだし、あり過ぎても良くない、ということですね。
過労や貧血、体力の低下、加齢などが原因で気血が不足すると心の機能が十分に働かず、虚証の不眠を起こしやすくなります。
頭にくるようなストレス、香辛料や揚げ物の食べ過ぎ、お酒の飲みすぎ、メタボなど体内に過剰な「熱(エネルギー)」があると心が興奮しやすくなり、実証の不眠を起こしやすくなります。
※分かりやすくするためかなりざっくりな説明になっています。
こうなってくると解決策がまったく異なることが分かります。
虚証の不眠→気血を補うことで解決する
実証の不眠→過剰な気(熱)を取ることで解決する
という具合です。
不眠症でも原因が全く反対の場合がある、ということが今回のブログのポイントです。
つまり虚証の不眠の人が実証の不眠を改善するような漢方薬を飲むと全く効果がないどころが逆効果になる事もあり、
また、その反対もしかりです。
厳密には虚実が混同する場合もあるので、どちらかに必ず分けられる!という事もないのがまた難しい点なんですけどね。
そう考えると雑誌やテレビなどで「不眠にお勧めの漢方薬は○○!」という紹介のされ方は非常に危険だということが分かりますね。
虚証や実証は漢方的なアプローチで比較的基礎的な内容です。
とはいえ、独断は非常に危険なので、服用の際は必ずご相談ください。
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