不眠と不安に対する漢方の考え方
こんにちわ、宇都宮市・天明堂薬局の中山です。
2021年も元気いっぱい!
よろしくお願いいたします。
さて、今回のブログは実際にあった症例をもとに『不眠と不安感』について考えていきたいと思います。
些細なことで起こりやすい不眠も長く続くと精神的なトラブルの引き金になる事があります。
心地よい睡眠を得られていない人はぜひ参考にしてください。
症例:20代女性
主訴
去年の秋に失恋して以来、不眠傾向になってしまった。
特に入眠が困難で眠っても4時間ほどで目が覚めてしまう。
日中は気怠さがつのり、仕事にも集中できなくなってしまった。
そんな日がしばらく続くようになり、自分が以前のような生活に戻れないのではないかと不安になってしまった。
病院での診察を受けたが、医者の説明があまり納得できるものではなかったので、お薬の服用もしなかった。
11月に入り仕事も忙しくなってきたときに、めまいと吐き気を感じ仕事を早退した。
帰宅途中にネットで漢方薬局を検索し、最寄りの天明堂薬局に来店した。
その他の症状
食欲不振 便秘と下痢を繰り返す イライラとクヨクヨを繰り返す
弱く鈍い頭痛を感じる 目の疲れがある 爪が割れやすい 動悸がする
細身 ダイエットにより急激に痩せた時期がある 生理周期は不安定
考察
細身の体系とその他の症状から血虚がベースにあると判断しました。
血は心を養う役割もあるため、血虚になると精神を安定させることができなくなり特に入眠困難を招くことがあります。
また秋口に失恋したことで秋の季節の特徴である『悲』が過剰にでたと考えます。
運動習慣がなかったり、人と会って話す機会が少ないため、気の流れが悪い状態も考え、血を補うことをベースに気の流れをよくする漢方薬をお勧めしました。
2weeks後
不安感やクヨクヨすることが減り、頭痛や生理前に感じていた胸の張りもなくなった。
便通は比較的緩くなった気がする。
日中の傾眠がなくなった。
入眠も気持ちよくなった気がする。
6weeks後
食事をおいしく食べられるようになった。
友達と楽しく会話ができるようになった。
心のざわつきが減り、安心している。
まとめ
心は血により養われ、気により活発に動きます。
気血が充実することで心も安定的な活動を行えるようになります。
日中にしっかりと活動した心は夜(陰の時間帯)になると体に収束(興奮が収まる)されていきます。
これは現代医学における交感神経と副交感神経のリズムに関する考え方にとても良く似ていると思います。
夜に心を落ち着かせ充実した睡眠をとるためにも、日中にしっかりと心が活動できるよう気と血を補っていくことが重要です。
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