苦手な本に出会いました…
こんにちわ、宇都宮市・天明堂薬局の中山です。
絵にかいたような【雨の日と月曜日は】ですね。
朝から気分がズーンと沈んでいる人も多いかもしれません。
そんな時は無理せずに、読書などをして心を鎮めたり教養を深めるのも良いかと思います。
というわけで、今日は私の趣味、読書から少し気が付いたことを書いてみたいと思います。
僕はこう見えて(笑)?結構読書が好きです。
しかも、昔ながらのちゃんと紙でできている本が好きです。
本屋さんに行くと宝探しのような気分になり、最終的には直感で購入する本を決めています。
しかし、直感で購入する以上、【当たり!】と思う本もあれば時々ではありますが【ハズレ】と思う本もあります。
実は先日手に取った本がまさに【ハズレ】な感じでした。
しかし、この本は世間的にはいわゆる【売れている本】なんです。
なんで私が世間的に売れている本に対し、【ハズレ】と感じたかというと…
著者の主張に裏付けとなる根拠やデータがない、もしくは、思い込みで書いているから
でした。
あえて本の名前は出しませんが、ざっくりとした内容としては
【40代からの生き方】
について書かれている本でした。
・40代は周りと連携をとることを大切に
・後輩に知識を伝える年代
など、『なるほど、確かにそうかもね』と思う文章もあります。
この方が生きてきた中で実感したことから筆を走らせたのが分かるため、納得がいくわけです。
しかし……、、、
・女性にとっての40歳は30歳と一緒
・子供にかまう時間が長いより仕事をしたほうが子供は自分で考えて行動するようになり、
大人になってからも連絡を取るようになる
・人口減少が起きるから労働力は男がもっとがむしゃらに働くか、移民に頼るか、女性が社会進出するべき
などの主張もありました。
でも、これって↑例えば社会学者のデータに基づいているとか、経済学者の論文を引用しているとか、生物学的な根拠があるというものではないんです。
著者の単なる『想像』なんです。
もっと言えば、人口減少が起きるから労働力がなくなるぞー、という記載に関しても、ドイツや韓国は率先してAIやロボットを導入して高齢化による労働力の低下を抑えているわけで、『人口が減る=労働力が減る』ではないわけです。
現に日本でも、多くの小売店やスーパーがセルフレジを導入しています。
あれもいわゆる人口減少を見越した労働力の低下をAIやロボットにゆだねていると言えます。
今後はAIがさらに加速していくわけですが、その未来を正確に読み解ける人などいないわけです。
にもかかわらず専門家でもない著者が『日本は労働力が減るよ!女性はもっと社会に出て輝いて!』と言っているわけです。。。。。。
他にも…、『親が仕事をしているほうが、子供が大人になってから連絡を取るようになりますよ』という主張も、『私の知り合いの研究者の話では…』という『研究者の名前も、根拠となる論文やデータもない』をもとに書いてます。
これって、週刊誌と同じです。
『芸能関係者のAが言うには…』『情報通のBはこう語る…』
なんて切り口と同じです。
その主張に確かな根拠や正確性があるなら、名前も論文も出すべきだと思います。
このように、主義主張は立派なんだけど、その主張の裏付けとなるデータや根拠が『ない』もしくは、『思い込み』、もしくは『知識がない』です。
そのため、この本が、ものすごーーーーっく薄っぺらく感じてしまうわけです。
しかし、この本は本屋さんに行くとフツーに平積みされている、いわゆる『売れている本』です。
なんでこの本がこんなに売れているのか?それも少しわかった気がします。
それは、書いている内容や言葉が【分かりやすくて、輝きに満ちている】のです。
勘の良い人は気が付いたかと思いますが、私いま、ものすごい皮肉を言いました。
とにかく主張が分かりやすいし、使わている言葉も『諦めないで!』『今からでも遅くないよ!』『自分を信じて!』『人生を輝かせようよ』『感謝することが大切!』的な言葉やフレーズのオンパレード。
まるで90年代のヒットソングみたい。
でもね、だから売れるんだと思います。
ようするに、こういう本ってどういう人が買うのかな?って想像すると結局、『悩んでいる人や疲れている人』だと思います。
皆さんも疲れている時の自分を想像してほしいんですが、そういうときって『小難しい話』を聞くのが辛くないですか?
なんなら『要するに何が良いたいの!?』と結論を急かしたりしませんか?
人間は疲れていると思考力が低下するため、理論的で学術的な話を理解するのが苦手になります。
疲れている人が読む、という前提で考えれば、小難しいデータや理論を書くよりも、分かりやすい言葉で前向きになる文章の方がニーズがあるんだと思います。
そしてこういう本が売れているという現状を考えると、世の中の多くの人が疲労や将来の不安に苛まれているんだな…と感じます。
人生の過ごし方は、多くの人の関心ごとですしニーズのあるテーマだと思います。
しかし、中には根拠やデータに乏しく、ただ前向きな言葉を羅列しているだけの本もあるので注意が必要だと思います。
では、人生の過ごし方についての本でお勧めはあるのか!?と聞かれたら以下の本をお勧めしたいと思います。
・『LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略』
著者 リンダ・グラッドン&アンドリュー・スコット
・『DIE WITH ZERO』
著者 ビル・パーキンス
・『エフォートレス思考』
著者 グレッグ・マキューン
素敵な本を読みながら秋を過ごしていきましょう♪