心の栄養不足?美味しい生薬『大棗(なつめ)』の魅力
こんにちわ、宇都宮市・天明堂薬局の中山です。
夏は五臓の中で『心』の消耗が激しい季節です。
特に心の血である『心血』が不足すると、不眠や精神疲労、精神不安定、鬱々を招くことがあるため、
『夏になると気分が良くない、熟睡が出来ない』という方は気をつけなくてはいけません。
特に生理がある女性は定期的に出血しますし、夏場の胃腸機能の低下から十分な血を作れないことが多いです。
そこに仕事の忙しさ・勉強の忙しさなどが加わると、『心』の消耗が激しくなり、心血虚を起こしてしまいます。
そんな方にお勧めしたい生薬が大棗になります。
大棗は生薬学的に以下のような効果があるとされてます。
①補脾和胃
胃腸虚弱者の倦怠感や食欲不振、泥のような便の改善に使用されます。
②養営安神
心血虚による不眠、不安感、悲しい、落ち着きのなさ、驚きやすいなどの症状に改善に使用されます。
特に大棗と生姜は相性が良く、大棗が生姜の刺激性を緩和するため、食欲が低下している人にお勧めです。
また、小麦には精神を落ち着かせる働きがあるとされるため、大棗と小麦の組み合わせは精神的不安が気になる方にお勧めです。
大棗がお粥に混ぜて食べられることが多いのは、大棗の胃腸機能改善効果を期待してこそです。
病後などで胃腸が弱っている人はお粥に大棗を入れましょう。
このように、大棗は気血を生成する基本である胃腸を改善する作用がある事からも積極的に食材として料理に取り入れたい生薬です。
薬膳に取り入れるもよし、そのまま食べるも良しの手軽な生薬『大棗』、ぜひお試しください。