その頭痛、鎮痛剤で抑えますか?漢方薬で治しますか?その⑧
今日も頭痛について書いてみたいと思います。
今まで7回に分けて書いてきた頭痛も今回が最後です。
様々な頭痛のタイプがありましたが、今回ご紹介する頭痛は
腎虚頭痛(じんきょずつう)
と呼ばれるものです。
腎とは五臓の中の一つで、脳の活動や骨、髪、生殖能力、深い呼吸などに関わってきます。
「人の老化は腎の老化」
という言葉もあるように、人間の老化症状は腎の弱りからくるものが多くみられます。
そのため、腎虚頭痛とは一般的に老化からくる頭痛を指すことが多いです。
しかし、生まれつき腎が弱い人や、性行為のし過ぎなどでも腎は弱くなるため、一概にご年配の方にだけ起こる頭痛とも言えません。
腎虚頭痛の特徴は
・足腰が怠い、力が入らない
・頭痛は強くないが慢性化する
・眩暈や耳鳴りがある
・頭がボーッとして思考力の低下や物忘れが目立つ
・性行為をする力が弱っている
などがあります。
加齢からくることが多い腎虚頭痛は、我慢すれば耐えられることも多いため、あまり気にされない方も多いですが、
腎虚のサインと考えれば、アインチエイジングの点からも早めに漢方薬で対応するのが良いでしょう。
腎虚の改善には『補腎薬』と呼ばれるジャンルの漢方薬を使うことが主になります。
しかし、補腎薬は「六味丸」という処方を基本構成として様々な種類に派生するため、自分の体質に合った処方を選ぶことがとても重要です。
お薬を選ぶ際は必ず相談してからにしましょう。
また腎虚は一般的に血行不良を表す瘀血も生成しがちです。
そのためアンチエイジングには
活血補腎
という言葉が度々使われています。
これは「血行を良くして腎の働きを良くする事」を意味します。
頭痛予防とアンチエイジングが同じ方法でできるというのは漢方独特の観点かもしれませんね。
というわけで、全8回に分けて書いてきた「その頭痛、鎮痛剤で抑えますか?漢方薬で抑えますか?」ですが、
いかがでしたでしょうか?
もちろん、この8種の原因は単独で起こることもあれば複数が絡み合って複雑に頭痛を起こしていることもあります。
複雑な頭痛であればあるほど治すのは困難であり、専門家の腕の見せ所、と言っても良いでしょう。
頭痛は鎮痛剤さえ飲めば問題ない。という方も多いかもしれませんが、頭痛を「体調不良のサイン」と考えれば、やはり体質そのものを改善していったほうが良いと思います。
たかが頭痛、されど頭痛。
ぜひ皆さんの頭痛改善に漢方薬をお試しください。