その頭痛、鎮痛剤で抑えますか?漢方薬で治しますか?その④
今までの3回は外感頭痛について、つまり、環境や季節の影響による頭痛について書いてみました。
今日からはいよいよ内傷(ないしょう)頭痛、つまり体質的な要因から起こる頭痛について考えていきたいと思います。
内傷頭痛は体質による頭痛のため、体質を改善しない限りはいつまでたっても改善しません。
そのため、外感頭痛よりもより漢方薬の力が発揮されやすい頭痛です。
頭痛体質を改善するためにもまずは頭痛が起こりやすい原因を順にみていきましょう。
今回の頭痛の原因は気虚頭痛&血虚頭痛についてです。
気虚頭痛も血虚頭痛もともに「虚」つまり『不足した状態』が原因で起こる頭痛です。
気は簡単に言えばエネルギー、血は簡単に言えば栄養、と考えてよろしいかと思います。
つまり気虚頭痛→エネルギー不足からくる頭痛
血虚頭痛→栄養不足からくる頭痛
です。
気も血も食べたものから作られるため、気虚頭痛も血虚頭痛も、脾虚と呼ばれる胃腸機能が弱い状態の人に見られることが多いです。
気虚頭痛の人の特徴は
疲れた時に頭痛がする すぐに息が切れる 倦怠感 食欲不振 などが挙げられます
血虚頭痛の人の特徴は
眩暈 頭がふらつく 顔の血色が良くない 不眠 動悸 などが挙げられます。
両方の特徴がみられる場合はさらに悪化した気血両虚という状態になります。
このタイプの頭痛を改善するには気血を補う事、そして胃腸機能を強化して気血を生成しやすい体質に変える事、です。
頭痛の程度にもよりますが、
鎮痛剤を飲むほどの痛みではない場合は補中益気湯でも改善が見られます。
しかし、頭痛が強く出てしまうのであれば、頂調顆粒などを併用するのがお勧めです。
血虚頭痛は血を失う人、つまり女性に多く見られるため、日頃から補血薬を服用するのがお勧めです。
補血薬の代表的なものと言えば、婦宝当帰膠などが挙げられます。
こちらも頭痛が強くなる場合は頂調顆粒の併用をお勧めします。
具体的にはより細かい体質から判断するため、漢方薬を服用する際は必ずご相談ください。
くどいようですが、内傷頭痛は体質を改善しない限り良くはなりません。
ポジティブに考えれば自分の体質を考える良いきっかけとも言えます。
たった一度の唯一無二の自分の体と人生。
体質が変わればきっと人生だって楽しく明るくなると思います。
次回は『水分代謝で頭痛が起きる???痰濁頭痛』について書いてみたいと思います