意外と多い【ストレス性下痢】の漢方相談
こんにちは、宇都宮市・天明堂薬局の中山です。
皆さんは緊張する場面で急にお腹が痛くなりトイレに駆け込むと下痢をした、という経験はないでしょうか?
【ストレスでお腹の調子が悪くなる】というのは一度は経験したことがあると思います。
しかし、一過性であったり、必ずしも緊張する場面で下痢をするとも限らないため、改善の必要性を感じない人も多いでしょう。
今回はそんなストレス性の下痢に対する漢方の改善方法をご紹介したいと思います。
ストレスに弱い人・お腹が弱人は必読です。
キーワードは肝と脾
ストレス性の下痢のキーワードは【肝】と【脾】です。
五臓の中の一つ【肝】には疏泄機能と呼ばれる働きがあり、これが現代医学における【自律神経を整える働き】や【情緒を安定させる働き】に似ています。
肝はストレスに弱い臓として有名で、強烈なストレスが加わると肝の働きは失調してしまいます。
肝は脾(胃腸のような存在)が正常に働くためにも重要な役割があるため、肝が乱れると脾の働きを乱してしまい、下痢を起こします。
これを肝鬱泄瀉と言います。
下痢をしやすい人はもともと五臓の中の一つ【脾】が弱い事も特徴です。
日頃から食欲がない・倦怠感がある・泥状便・四肢に力が入らないなどの特徴がある人は脾が弱い可能性大です。
脾が弱い人は些細なストレスでも腹痛や下痢を感じる傾向があります。
意外と学生に多い
当店では肝鬱泄瀉の相談は小学生から中学生に多い印象があります。
・学校がある日だけ腹痛と下痢をしてしまう
・登校途中で下痢をしそうで帰宅してしまった
・トイレからなかなか出ることが出来ず遅刻してしまう
・嫌いな授業がある日だとお腹が痛くなり下痢をする
このような漢方相談は毎年のように受けています。
ストレスからお腹の調子を悪くしてしまう学生は多いようですね。
漢方薬はどう改善する?
体質的に脾が弱く、それがストレスによってさらに悪化してしまう事が原因なので、改善方法は胃腸を元気にしながらストレスによる不調を防ぐ漢方薬がお勧めになります。
代表的なところでは逍遥散です。
ただ、逍遥散だけではあまり改善が見られない場合や、小便に行く回数が少ない場合は五苓散を加えるとより効果的です。
何より、脾が弱るような食生活は極力控えましょう。
冷たい飲食や揚げ物のような消化の悪い食事は控える必要があります。
意外とやってしまいがちなのが朝のヨーグルトにバナナを加えて食べる事。
お腹が冷やされて下痢を起こしてしまう事もあります。
お腹が弱い人は味噌汁などでお腹を温めると良いでしょう。
漢方薬が苦手な場合は柑橘系の飴玉を口に入れながら登校するのも一手です。
酸味と甘味は緊張を緩める事が期待できます。
【お守りの飴玉だよ】と言って、口に入れてあげましょう。