ストレスからくるお腹の不調と漢方薬

こんにちは、宇都宮市・天明堂薬局の中山です。

6月に新規でご来店された男性のお客様。
タクシーの運転手で主訴はお腹の張りが強くガスが溜まって苦しい、というものでした。

健康意識は比較的高く、【冷たい飲み物は飲まない】【揚げ物もあまり食べない】。
なのにお腹の不調が出るので病院に行ったところ整腸剤を出されただけで特に改善策はなかったというのです。

なぜ整腸剤でお腹の張りが改善されなかったのか?
その答えはとても簡単です。

この方のお腹の張りやガスは【ストレス】が原因だったからです。

漢方においてストレスは五臓の中の一つ【肝】の働きを乱すと考えています。
肝には【疏泄(そせつ)機能】と呼ばれる臓器の機能をスムーズに動かす働きがあるため、疏泄機能が低下すると臓器の動きが悪くなります。

特に疏泄機能の影響を受けやすいのが胃腸(脾胃)です。
消化酵素や胆汁の分泌、胃腸の蠕動運動もすべて肝の疏泄機能でコントロールされているため、ストレスがかかると消化能力の低下や胃腸の動きの悪さが目立つようになります
これがお腹の張り感やガスにつながるのです。

ストレスが原因で起きている胃腸障害は病院の検査などでは分からないことが多いです。
なぜならストレスはなかなか数値化されにくいものだからです。

複雑な人間関係
睡眠不足
運動不足
受験勉強
理不尽な出来事

この世にはストレスを与える多くの要因が溢れています。

このタイプの人は肝の働きを良くしつつ脾胃の働きも高めてくれるような漢方薬がお勧めです。
このような方法を疏肝理気(そかんりき)と呼びます。

常日頃からストレスを感じやすい人はお守りとして疏肝理気の漢方薬をバックに入れておくと良いでしょう。

中山 貴央

中山 貴央先生

  • 薬剤師
  • 国際中医専門員
  • 薬膳コーディネーター

子宝相談、婦人科相談、美容相談を専門としています。
唯一無二の自分の心と体、そして人生だからこそ根本から改善できる漢方を試していただきたいと思っています。