夏バテにお勧め食材『梅』の漢方薬膳的解説
こんにちわ、栃木県宇都宮市・天明堂薬局の中山です。
今日は梅について漢方薬膳的な解説をしたいと思います。
ご存知のように梅は酸味の強い食材です。
酸味には漢方的に収斂・固渋の効果があるとされています。
これは体から漏れ出ることを防ぐ、引き締める、という意味合いになります。
夏場は汗をかくことで体液(陰)を消耗しやすく、それに伴いエネルギー(気)も失われやすくなります。
特に屋外でお仕事や活動をされる方は、気陰がともに消耗しやすく、気陰が共に低下した状態を気陰両虚と呼びます。
そういう意味では、屋外での活動に酸味は非常に有効です。
梅は古来より酸味の代表格として夏の食養生食材として重宝されています。
梅は食欲増進効果や唾液分泌の促進効果、整腸作用による下痢止めが期待されます。
お弁当のご飯の上にちょこんと梅干しが乗っているのもこれらの効果を考えれば理にかなっているわけです。
また梅はイカ・タコ・鰯などに含まれるタウリンと合わさると肝機能の改善も期待されるので、
晩酌のおともにイカやタコを梅で和えて食べるのもお酒好きには良いかもしれません。
また生薬の一つに『烏梅(うばい)』というのがありますが、これは梅の未成熟果実を燻蒸したものです。
烏梅は咳止め、下痢止め、腹痛・嘔吐、不正出血、渇きなどに使われます。
中国で有名な飲み物『酸梅湯(さんめいたん)』の材料としても有名ですね。
烏梅を普段飲むお茶に一つ入れてみると梅らしい酸味が加わりサッパリと美味しく、なおかつ夏バテにも有効です。
ぜひお試しください。