ピーマンは漢方薬膳において魅力的な夏の食材です
こんにちわ、宇都宮市・天明堂薬局の中山です。
今日はピーマンの薬膳的な魅力をご紹介したいと思います。
タイトルに書いたようにピーマンは夏の体調管理にとても役に立つ食材です。
そもそも、五行学説では五季の『夏』は五臓の『心』に関係していて、夏になると『心火』が燃えやすくなります。
少し難しい言い回しですが、『心火』とはいわば『心が高揚する』に近いです。
夏になると何となく楽しくなったり、旅行に行きたくなったり、友達と夜遅くまで遊んだり、野外ライブやお祭りや花火などイベントが多かったりしますよね。
これはすべて心火の影響と言えます。
心火は良い方向に働くと先ほど書いたように『楽しい』『興奮』『元気』な状態になりますが、悪い方向に働くと『怒りっぽくなる』『短気』『不眠』『落ち着かない』『気持ちの抑制が効かない』
等を招いてしまいます。
夏の夜に喧嘩が多くなるのも心火の影響と言えます。
良くも悪くも心が興奮しやすいのが夏というわけですが、ピーマンには漢方的に養心安神作用があると考えます。
ピーマンは比較的苦い食材ですが、苦味には『興奮を鎮める』『体の熱を排出する』などの働きがあります。
沖縄でゴーヤーやオリオンビールなど苦味が好まれるのも沖縄特有の暑さがもたらすものと考えられます。
夏に屋外に長時間いて、体の中に熱がこもる感じがしたり、気持ちが何となく落ち着かない場合はピーマンの苦味が最適です。
またピーマンは五臓の中の『脾』の働きも良くするので、胃腸が弱い人にもお勧めです。
夏野菜は生で食べる傾向が多く、実は胃腸にはあまり優しくありません。
その点、ピーマンは油で調理することでβカロテンの吸収も良くなるため、加熱することが多く、胃腸にも優しいです。
夏バテで胃腸が疲れていて、しかもメンタル的に不安定な感じがする人にはピーマンはお勧めですね!