漢方ダイエットは難しい?
こんにちは、宇都宮市・天明堂薬局の中山です。
5月5日は立夏ということで、服装もだんだんと軽装になってきますね。
するとやはり気になるのがボディライン…。
気温の上昇に伴いダイエットのご相談も少しずつ増えてきています。
皆さんはダイエットってなにが「成功」だと思いますか?
体重が減れば成功でしょうか?
僕はそうは思いません。
今日はそんなダイエットの落とし穴について書いてみたいと思います。
体重減少は脂肪だけじゃない
「体重」の中には脂肪の他に筋肉、水分などが含まれています。
そのため、水分を抜いてしまえば簡単に体重は落ちます。
運動などしなくても、塩分と糖分を控えた生活をすればおそらく2キロ程度の水分はいとも簡単に落とすことが出来るでしょう。
おそらく皆さんも1日で体重が1~2キロくらい変動した経験があるはずです。
あれは体脂肪が落ちているわけではなく水分が抜けているだけです。
では、それを【ダイエット成功】と言えるでしょうか?
たった数日で脂肪を劇的に落とすことは難しい
「この漢方を飲んで1週間で5キロもやせた!」
「ファスティング漢方で1週間で○○キロ痩せました」
などの体験談や広告が多いですよね。
でもね、はっきり言うと…、それは【体重が落ちた】と言っているわけで、【脂肪が脂肪がなくなった】とは言ってないんです。
だから嘘ではない…、けども印象操作であたかも脂肪が落ちたような物言いをしますよね。
でも、現実にはかなり難しいです。
脂肪1キロを消費するには7200~9000キロカロリーの消費が必要です。
ちなみに1時間のジョギングで消費できるカロリーが650~750程度ですから、1日で体脂肪を1キロ落とすには単純に考えても1日10時間のジョギングをしなくてはいけません。
どう考えても無理です。
しかし、「痩せる=体重が落ちる」と考えている人はこの罠にハマってしまいます。
もしこれが「痩せる」という認識であれば、塩分と糖分の多い食事をとればいとも簡単にリバウンドします。
ラーメンやパン、パスタを食べた後に水分を多めに飲めばすぐにリバウンドです。
あなたが落としたいのは体重ですか?体脂肪ですか?
私は本当のダイエットとは体脂肪を落とす事だと思っています。
そのためには絶対に食事制限と運動は不可欠で、漢方さえ飲めば痩せるなんてことは絶対に思いません。
あくまで漢方薬は食事制限と運動による体脂肪燃焼をサポートするものと考えてほしいです。
例えば、
ストレスなどが引き金で過食気味になってしまう人→ストレスを軽減する漢方薬で、過食防止
冷え性など基礎代謝が低めな人→血流を良くする漢方薬で運動効率UP&脂肪燃焼
運動するとすぐに疲れてしまう人→疲労をたまりにくくする漢方薬で毎日の運動習慣を継続
このように、漢方薬はあくまでダイエットの効率を高めたり、サポートするためのものと考えてください。
もっともお勧めなのは、ジムやスポーツクラブに通い、パーソナルトレーニングなどで自分に最適な運動を提案してもらいつつ、
食事と漢方を試していただきたいと思います。
そうすれば筋肉量の低下も最小限に抑えてダイエットが出来るため、太りにくくなりますし、また体型も貧相な体ではなくカッコいい体になります。
見た目も重視するなら絶対に運動は必要です。
お客様から「漢方によるダイエットを試してみたい」とご相談を受ける時は必ずこのことをお話します。
中には「えっ?運動が嫌だから漢方で痩せようと思ったのに…」とガッカリされてしまう事もあります。
でもこれは仕方ないですね。
運動をしなくても漢方さえ飲めば勝手に痩せてしまうなんて、過度な期待です。
最後にくどいですがもう一度。
落としたいのは体重ですか?体脂肪ですか?