漢方 ダイエットの落とし穴
こんにちわ、宇都宮市・天明堂薬局の中山です。
今日はダイエットの落とし穴について書いてみたいと思います。
暑くなってくるとダイエットを意識する人も増え、当店にもたくさんのダイエット相談の方がいらっしゃいます。
ところで皆さん、ダイエットってどういうものが「成功」だと思いますか?
体重が減ることが成功ですか?
ここにダイエットの落とし穴があります。
「体重」の中には脂肪の他に筋肉、水分などが含まれています。
水分を抜いてしまえば簡単に体重は落ちます。
運動をしなくても、塩分と糖分を控えた食生活をすればおそらく2キロ程度の水分はいとも簡単に落とすことが出来るでしょう。
おそらく皆さんも1日で体重が1~2キロくらい変動した経験があるはずです。
あれは体脂肪が落ちているわけではなく水分が抜けているだけです。
そんなぁ~ガッカリ!
という声が聞こえてきそうですが、リアルな数字を見ればそれは明らかです。
脂肪1キロを消費するには7200~9000キロカロリーの消費が必要と言われています。
ちなみに1時間のジョギングで消費できるカロリーがおよそ650~750程度ですから、1日で体脂肪を1キロ落とすには単純に考えても
1日10時間のジョギングをしなくてはいけません。
どう考えても無理です。
つまりそれくらい体脂肪を落とすことは時間と努力が必要だということです。
食事で300kcal、、運動で300kcal減らすと考えて1か月で2~3kgくらい落ちるのが現実的なダイエットと言えます。
しかし、巷には
「この漢方を飲んで1週間で5キロもやせた!」
「ファスティング漢方で1週間で○○キロ痩せました」
などの体験談や広告が多いですよね。
これは「痩せる=体重が落ちる事」と考えている人です。
もしこれが「痩せる」という認識であれば、塩分と糖分の多い食事をとればいとも簡単にリバウンドします。
ラーメンやパン、パスタを食べた後に水分を多めに飲めばすぐにリバウンドです。
本当のダイエットは体重を落とすことではなく体脂肪を減らすことだと思います。
そのためには絶対に食事制限と運動は不可欠で、漢方さえ飲めば痩せるなんてことは絶対に思いません。
あくまで漢方薬は食事制限と運動による体脂肪燃焼をサポートするものと考えてほしいです。
例えば、
・ストレスなどが引き金で過食気味になってしまう人
→ストレスを軽減する漢方薬で、過食防止
・冷え性など基礎代謝が低めな人
→血流を良くする漢方薬で運動効率UP&脂肪燃焼
・運動するとすぐに疲れてしまう人
→疲労をたまりにくくする漢方薬で毎日の運動習慣を継続
このように、漢方薬はあくまでダイエットの効率を高めたり、サポートするためのものと考えてください。
もっともお勧めなのは、ジムやスポーツクラブに通い、パーソナルトレーニングなどで自分に最適な運動を提案してもらいつつ、
漢方を服用することです。
お客様から「漢方によるダイエットを試してみたい」とご相談を受ける時は必ず「痩せると体脂肪を減らすは違う」というお話をします。
中には「えっ?運動が嫌だから漢方で痩せようと思ったのに…」とガッカリされてしまう事もあります。
運動をしなくても漢方さえ飲めば勝手に痩せてしまうなんて、過度な期待です。
健康的に無理なくダイエットをするためにも「○○さえ飲めば痩せる!」みたいな方法はしないでください。