ダイエット漢方薬?防風通聖散の気をつけないといけない注意点
こんにちわ、天明堂薬局の中山です。
寒くなってくると運動する機会も減ってしまい、家でゴロゴロしながらも口はモグモグ動いてしまい、
気が付いたらお肉がプニッとついていた…なんて人も多いのではないでしょうか?
中医学においては冬は『蔵』という考えがあり、体に栄養を溜め込む時期と考えられています。
冬に栄養を溜め込み、春にそのエネルギーを用いてのびのびと成長する、という考えなので、冬にある程度体重が増えるのは自然なことかもしれません。
しかし、過剰に太ってしまうのは嫌なものですよね。
今回はダイエット漢方としてTVCMなどでもよく持ち上げられる防風通聖散の注意点について少し書きたいと思います。
防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)はテレビCMでも『お腹の脂肪に効く』みたいなキャッチフレーズと共にお腹周りがすっきりするようなイメージの映像が流れています。
テレビCMでやっているくらいなんだから痩せるのは間違いなさそう…、と思って気軽に購入している人も多いですが、
意外な作用が問題となっています。
今回のブログは防風通聖散の見落としがちな副作用を書いてみます。
これを読めば『防風通聖散が合わない人』が分かります。
あまり難しく書いてしまうと最後まで読んでもらえないかもしれないので、簡潔に書いていきたいと思います。
まず、防風通聖散とはそもそもどんな処方なのか?
専門的な言葉を使えば『瀉熱通便』となります。
………??????
漢方の言葉って難しいですよね(笑)
ものすごーく砕いて書いてみると『便通を良くすることで、体の中にこもった熱を排出する』という意味です。
『体の中にこもった熱』という表現がまだ難しいかもしれませんが、例えばイメージするとこんな感じです↓
赤ら顔で体格が良く食欲旺盛、声も大きく元気がある。
一方で怒りやすく、イライラしやすい人。
これ、漫画のキャラクターでぴったりに思い当たる人がいます。
ずばり
ジャイアン
です。
ジャイアンのイメージが『体の中に熱がこもっている』という状態に近いです。
もしもジャイアンがダイエットをしたい!と決心して、なおかつ便秘気味だったとしたら防風通聖散はぴったりな処方と言えます。
でも、ダイエットを考えている人がみんなジャイアンタイプとは限りません。
元気がない、軟便気味、冷え性、というタイプの肥満の方もいるでしょう。
こういう人にはこの漢方薬は絶対に合いません。
服用を避けるべきです。
防風通聖散に含まれる大黄や芒硝は便通を促進することで体内の熱を排出します。
つまり軟便気味の人が服用すると下痢を引き起こす恐れがあります。
また、『瀉熱通便』と書かれているように、体の熱を追い出す処方ですから、冷え性の人にはお勧めできません。
これを踏まえてテレビCMのテロップをよく見てみると小さな字で
『体力充実して、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの次の諸症』
って書かれている理由が分かりますね。
でも、映像があまりにもインパクトがありすぎますし、ほんの数秒のCMの中で小さく書かれたこの説明に気が付く人はどれほどいるのでしょう?
なんとなくお腹についている脂肪をとるのに良さそうな漢方薬って感じてしまう人も多いと思います。
しかも『体力充実して』っていうのもなんとなくわかりにくいですよね。
でも、『ジャイアンみたいな人』ってイメージすれば自分がジャイアンタイプかそうじゃないかは分かると思います。
当店にもダイエットのご相談のお客様がたくさんいらっしゃいます。
しかし、防風通聖散が体質的に合うお客様というのは実は一握りです。
自分の体質や生活習慣に見合ったダイエット計画を立てればおのずと自分に合った漢方薬も分かってきます。
そのためにも自分で体質を判断することなく相談してみてくださいね。