下痢の原因を漢方的に考える、その⑤
こんにちわ、天明堂薬局の中山です。
今日は朝からずっと雨、まるで台風のようですね。
コロナに加えて雨となると、お店の前を通る車もだいぶ少ないです。
さて、今日は下痢のお話の最後!
「腎陽虚弱」タイプの下痢についてです。
腎とは成長や生殖、骨、脳、耳、などに深い関係がある臓で、
「人の老化は腎の老化」と呼ばれるほど、人が長く元気に生きていくために重要です。
腎陽虚とは「腎の陽気が虚弱した状態」を指します。
腎陽は命門の火と呼ばれ、全身の臓腑を温める役割があります。
そのため、腎陽が虚弱することで脾胃が温まらず働きが低下し、下痢が起きる場合があります。
下腹部辺りが冷えやすい人は要注意です。
腎陽虚弱タイプの下痢は先天的に腎が弱い人や老人に多く見られます。
脾胃を強化するだけでは改善されない下痢の場合、腎陽虚の改善も並行して行うことが大切です。
腎陽虚弱に使用される漢方薬は補腎陽薬と呼ばれるジャンルになります。
このジャンルの漢方薬も様々な種類があるので、服用する際には自分の体質を考慮して選ぶ必要があります。
服用する際は必ずカウンセリングをしたうえで自分に合った漢方薬を飲むようにしましょう。
また腎は先にも書いたように老化に非常に関係があるため、下痢を改善するばかりでなくアンチエイジングにも補腎はとても重要です。
腎を補う漢方薬を飲んでいると、周りから若く見られる、なんてこともあるかもしれませんね。
以上が下痢に関する5つのパターンでした。
簡単にまとめると下痢の原因には
①お腹が冷えて起こる下痢
②食べすぎによる下痢
③ストレスによる下痢
④胃腸虚弱からくる下痢
⑤腎陽の弱りからくる下痢
の5パターンがあります。
①~③は比較的急性の下痢で頻繁に起こることはありませんが、④⑤の原因は体質的な素因で起こるため慢性化しやすく体質を改善しない限り長引くことがあります。
自分の下痢のタイプを見極めれば適正な漢方薬を服用することもできます。
下痢が気になる方はぜひご相談ください。