お年寄りの秋冬の咳にお勧めの漢方薬
こんにちわ、宇都宮市・天明堂薬局の中山です。
空気が乾燥し咳や痰、息苦しさを感じる人が増えてきています。
肺は乾燥に弱いため、空気の乾燥が進む秋は肺の機能が低下していしまい、先ほどのような症状が目立つようになります。
しかし、ここで注意しなくてはいけないのがお年寄りの咳です。
お年寄りの方は冬も咳が悪化してしまう事があります。
その理由は腎にあります。
漢方において腎には『納気(のうき)作用』というものがあり、空気を深く吸い込み腹の下まで納める働きがあると考えます。
腎は加齢により衰えてしまうため、【人の老化は腎の老化】という言葉もあるほどです。
そして冬こそが一年で最も腎が弱る季節なのです。
【お年寄りの方は腎が弱くなっている&冬は腎が弱くなる】
この二つの条件が重なることで、咳が悪化してしまいます。
そのため、お年寄りの方の咳は単に肺の働きを良くするという事ではなく、腎の働きも良くしながら咳を改善することが大切です。
その代表的な漢方薬が八仙丸(はっせんがん)です。
正式名称は麦味地黄丸(ばくみじおうがん)と言い、六味地黄丸に麦門冬と五味子が配合されたものです。
六味地黄丸で腎の働きを良くしつつ、麦門冬と五味子で肺の潤いを守る。
とても理にかなった処方と言えます。
【咳をしているのだから咳止め薬を飲めばよい】
そう思わずに
【咳をしているのはなぜなのか?】
と考えてみましょう。
体の不調から体質のサインを読み取ることがとても重要です。
皆さんの周りのお年寄りの方で咳が止まらない人がいましたらぜひ漢方を勧めてあげてくださいね。