便秘に対する漢方薬は体質によって使い分けるべし!
こんにちわ、宇都宮市・天明堂薬局の中山です。
今日は便秘について書いてみたいと思います。
一口に便秘と言っても様々な『体質の違い』を考慮しないと改善しないどころか悪化してしまう事もあるので注意が必要です。
便秘の人が病院に行くと『大承気湯』や『大黄甘草湯』を処方されることも多いようです。
しかし、この2つの漢方薬は比較的『体力のある人』に使用される、という点が特徴です。
体格が良い人が時々服用する分には問題のない処方ですが、年配の方にはあまりお勧めできません。
というのも、年配の方は体液が不足してくるため、強い下剤で無理に排便させるとさらに体液が不足します。
そのため、腸管の潤いがさらに無くなって排便が困難な体質になってしまいます。
最悪なのは『排便しにくくなったから飲む量を増やす』ということです。
これでは薬のせいで便秘体質を悪化させている、と言っても過言ではありません。
年配の方は排便を促しつつも腸を潤わすような処方がお勧めです。
麻子仁丸などが代表的な処方と言えるでしょう。
また特に女性は生理や出産によって血を失うため、血虚体質になりがちです。
実は血虚も便秘を起こす体質として有名です。
妊活や生理痛のご相談で補血薬を服用される方も多いですが、補血薬を服用し始めたら便秘が改善した、ということが良くあります。
まさに体質改善で様々な『福』作用が出ている例です。
中国医学には『魄門(肛門)は五臓の使であり、水穀(飲食物)が長く留まることを嫌う』という考えがあります。
便秘になると五臓に様々な悪影響が出るということであり、古来より便通改善が体調管理に重要視されていたことが分かります。
自分の体質を知って適切な便秘薬を飲むことで、毎日を快適に過ごせると思いますので、ぜひお試しください。
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