風邪には葛根湯は大間違い
こんにちは、宇都宮市・天明堂薬局の中山です。
風邪が流行るこの時期になるとSNSなどで多くの専門家が【葛根湯の使い方に十分注意してください!】と動画やメッセージをアップしています。
私はあまりSNSをやっていないのですが、それでも「葛根湯の注意点」と題したショート動画はかなりの再生数がありました。
にもかかわらず、いまだに来店されるお客様の中には「風邪ひいたときに葛根湯飲みました」という方が多いです。
今回は葛根湯の正しい知識とどのような風に効果的なのかを解説したいと思います。
風邪には葛根湯
に騙されているあなた!ぜひご一読ください(^^♪
葛根湯は辛温解表薬
そもそも葛根湯はどんな漢方薬かご存知ですか?
葛根湯は辛温解表薬に分類される漢方薬です。
………、なにそれ?
って感じですよね?
要するに簡単に書いてしまえば
体を温めて邪気を発散させる処方
ということです。
まだ難しく感じる人は、シンプルに【体を温めて風邪を治す処方】と覚えて良いです。
ここで重要な事は【体を温める漢方薬】であること。
そのため、【どのような風邪に適しているか?】というと、風邪の中でも寒気を伴う「風寒邪」に効果的な処方です。
風寒邪の特徴は
・ゾクゾクした寒気
・発熱はさほどではない
・頭痛、関節痛がある
・水のような鼻水が出る
というものです。
葛根湯はこのような寒気を伴う風邪を治すための漢方薬です。
しかし、風邪には大きくもう一種類あります。
それが強い発熱を伴う「風熱邪」です。
風熱邪の特徴は
・発熱が強い
・喉が赤く腫れて痛む
・悪寒はさほどない
・粘った黄色い痰が出る
・尿の色が黄色い
というものです。
このように熱に侵された風邪は葛根湯のような温める漢方薬を服用するとかえって症状が悪化してしまいます。
熱を伴う風邪には辛涼解表薬に分類される漢方薬を使用することが基本です。
その代表格が銀翹散(ぎんぎょうさん)になります。
たかが風邪、されど風邪
風邪は万病の元、と言われるように風邪をきっかけに体調を大きく崩すことが珍しくありません。
特に高齢者や虚弱体質の人は風邪の初期治療がとても重要になります。
風邪をひいた際には自分がどちらのタイプなのかを知ることがまず大切です。
風邪には葛根湯、と短絡的に服用するのは危険です。
十分に注意してくださいね!