高齢者の『咳』は咳止め薬だけでは不十分
こんにちわ、宇都宮市・天明堂薬局の中山です。
秋が深まり空気も乾燥してくると咳の症状が表れやすくなります。
これは五臓の中の肺が乾燥に弱いことが原因です。
漢方における『肺』は呼吸器系全般以外にも、皮膚、大腸などにも関係があり、乾いた空気によって肺が乾燥すると鼻、喉、皮膚、大腸も乾燥してトラブルを起こすと考えます。
秋になると鼻炎、喉の痛み、皮膚の乾燥や痒み、便秘などの症状が目立つのは肺の乾燥が原因と考えます。
特に高齢者は若年に比べると、乾燥症状が目立つようになります。
赤ちゃんがプルプルの瑞々しい肌をしているのに対し、高齢者はしわが増え乾燥肌になっていることからも、年齢を重ねるにつれて人は乾燥していくことが分かります。
そのため、秋冬の乾燥期に高齢者が咳をしている場合、単なる咳止め薬では不十分ということです。
高齢者の咳を改善するためには咳止め薬以外にも肺を乾燥から守る補陰薬を併用すると良いでしょう。
補陰薬はたくさんの種類がありますが、特に高齢者の場合は腎陰が不足している傾向があるため、補腎陰薬がお勧めです。
補腎陰薬の代表的なものとしては八仙長寿丸などがあります。
中国では不老長寿の薬として珍重されている面白い漢方薬です。
コロナの影響もあり『咳』に対して厳しい目が向けられることもあります。
たかが咳、されど咳。
咳止め薬が効かない場合は体質に応じた対策も練っていきましょう。