手足のみが冷える場合は『温める漢方』にも注意を!
こんにちわ、宇都宮市・天明堂薬局の中山です。
寒くなり、冷え性が気になるころですが、中には
『手足のみが冷えて、寒気は感じない』という人がいます。
冷えるのだから温める漢方を飲めばいいだろいう…
そう思われがちですが、手足のみが冷える場合は『真熱仮寒』と呼ばれる状態が考えられ、単純に温める漢方を飲む事が不適切な場合もあります。
手足のみが冷えて、体の芯は冷えてない主な理由は気蕨(きけつ)と呼ばれるものです。
これは、おもにストレスや急激な精神的ショックが原因で起こります。
ストレスや急激な精神的ショックが起こると気の巡りが悪くなり、末端の血流が低下します。
緊張が強くなり手足が冷たくなる経験をした事がある人も多いと思います。
この場合は血流を良くする事よりも、精神的な緊張やストレスを緩和する漢方薬を第1選択に考えます。
また、まれなケースではありますが、風邪などをひいたときに体内に熱がこもり、体の外へ熱が出てこない場合もあります。
舌の色が赤い、喉や歯茎が腫れる、口臭が強いなどの熱性症状が強いにもかかわらず、『手足が冷えているから』という理由だけで体を温める漢方薬を服用すると症状が悪化するケースもあるため、注意が必要です。
この場合、寒涼性のある漢方薬を服用することで手足の冷えが改善する場合もあります。
漢方薬の面白いところですね。
手足の冷えはとても身近な症状であるだけに、安易に対策をとってしまいがちです。
手足の冷えの本当の理由を見定めることも改善の一歩、ということですね。