慢性膀胱炎と漢方薬
こんにちは、宇都宮市・天明堂薬局の中山です。
今日は膀胱炎と漢方薬についてブログを書いてみたいと思います。
膀胱炎の相談は意外と多いです。
・抗生物質を飲みたくない
・慢性的に起きるので体質改善したい
などの理由が多いです。
膀胱炎は急性のものであれば比較的簡単に改善できるものですが、慢性化しているものは何かしらの体質的原因を疑います。
慢性的に膀胱炎が起きる場合は
①飲食の不摂生
②ストレス
③老化・性生活過多
などが挙げられます。
飲食の不摂生
膀胱は最終的に水が集まってくる場所です。
香辛料の摂りすぎ、揚げ物の摂りすぎ、アルコールなど熱を高める飲食をし過ぎると【内熱】が発生して体の中に熱が籠ります。
熱のこもった水が膀胱に集まることで、熱すなわち炎症を起こして膀胱炎になります。
このタイプは排尿痛や排尿困難が特徴です。
飲食不摂生の膀胱炎はまさに急性期にみられる典型例です。
暴飲暴食に気をつける、野菜などを意識して食べるなどをすれば防げるものです。
もし膀胱炎が発生しても、黄連解毒湯や瀉火利湿顆粒など清熱解毒薬を服用すればすぐに改善できるでしょう。
ストレス
怒りや憂鬱などストレスが溜まると体に熱が籠ります。
イライラすることを【かっかする】と言いますが、【火っ火する】と書いても良いかもしれませんね(笑)
ストレスによって体に発生した熱が膀胱に移ると膀胱炎になります。
このタイプの膀胱炎は排尿困難やお腹の張りが特徴です。
膀胱炎の直接的な原因というよりも、膀胱炎を悪化させやすい要因になります。
膀胱炎を改善する際にはストレスがないかを見極め、ストレスの影響がみられれば疏肝理気薬を併用するとより良い効果を得られるでしょう。
加味逍遙散などを検討しても良いでしょう。
老化・性生活過多
人の老化は腎の老化。
そんな言葉もあるように、五臓の一つである腎は老化によって衰えていく代表的な臓です。
腎と膀胱は表裏の関係にあるため、腎が弱れば必然的に膀胱の働きも低下していきます。
高齢者になるほど、尿トラブルが増えるのも腎の衰えが原因と考えて良いでしょう。
このタイプの膀胱炎は排尿後の痛みや残尿感が特徴です。
高齢者の尿トラブルによく使用される八味地黄丸はまさにこのタイプに適しています。
しかし、八味地黄丸は温める力がとても強い処方です。
火照り、暑がり、多汗、口渇など陽の症状が強い場合には絶対に使用してはいけません。
陽の症状が強い場合は、瀉火補腎丸のような清熱作用のある補腎薬を服用しましょう。
まとめ
膀胱炎は非常に身近なトラブルであり、急性期であればすぐに改善するため、あまり深刻に考えない人も多いです。
しかし、膀胱炎を繰り返している人は、必ず「慢性化させる原因」があります。
膀胱炎をきっかけに自分の体質を今一度見直してみるのも良いと思います。
気になる方はぜひ漢方相談をお試しください(^^♪