肝腎症候群と漢方
こんにちわ、宇都宮市・天明堂薬局の中山です。
今日は肝腎症候群と漢方について私なりの考えを書いてみたいと思います。
非常に興味深い内容なのでぜひ最後まで読んでみてください。
そもそも肝腎症候群とは何か?
肝腎症候群とは西洋医学的な視点で見た時に『肝機能が低下すると腎機能も低下する』というものです。
肝臓は血管内の水分量を保つたんぱく質を合成していますが、肝機能が低下するとそのたんぱく質を合成する力が低下します。
結果的に、血管内の水分量が減ってしまい、血流も悪化してしまいます。(いわゆる血液ドロドロ)
腎臓は血液をろ過して尿を作っているため、血流が悪化すると効率よく働けなくなります。
すると体は腎臓になんとか血液を送ろうと血圧を上げたり、交感神経を優位にさせるのですが、これが結局、腎臓の血管に負担をかけてしまい、腎機能も低下してしまうのです。
これが肝腎症候群の大まかなメカニズムです。
さて、漢方や中医学の視点からみるとひとつ面白い理論があります。
漢方や中医学の考えでは肝と腎について、『相生(そうせい)』という考えがあり、
腎の働きが良ければ肝の働きが良くなり、肝の働きが良ければ腎の働きも良い、
という関係性があります。
これは裏を返せば、
腎の働きが低下すれば肝の働きが低下し、肝の働きが低下すれば腎の働きも低下する
という事です。
肝腎はまるで親子の関係です。
親が体調を崩せば子が苦労しますし、子が体調を崩せば親は苦労します。
つまり西洋医学的にも漢方医学的にも肝臓腎臓、肝腎の関係性は非常によく似ていると言えます。
もちろんこの二つの医学を同じテーブルにおいて考えることはナンセンスですが、個人的にはとても興味深い共通点のように思えます。
特に人の老化は腎の老化、という考えが漢方医学にはあるので、そういった点でも人が元気に長生きするためには肝と腎が丈夫であることがとても大切と言えます。
はて、そんなことを書いていると、我々日本人にも馴染みの言葉が浮かんできますね。
勘の良い人はもうわかったはず!
そう、『肝腎要(かんじんかなめ)』です。
人が元気に長生きするためには『肝と腎が要だぞ』ということですね。
そのためにも、
①アルコールは避ける
②暴飲暴食は避ける
③ストレスを避ける
④睡眠をしっかりとる
⑤運動をして血流を良くする
⑥体重過多の人はダイエットをする
ということが大切です。
『わかっちゃいるけど…』、そんな声も聞こえてきそうです。
そんな方にはやはり漢方ををお勧めしたいです。
肝の働きを良くする漢方、消化器系を助ける漢方、ストレスを軽減する漢方、睡眠の質を良くする漢方、血流を良くする漢方、ダイエット漢方…
自分の生活や状況に応じて様々な対応ができますので、ぜひ一度ご相談ください。
唯一無二の自分の体、なるべく大切にしてくださいね(^^♪