漢方的に考える長生きの鉄則
こんにちわ、宇都宮市・天明堂薬局の中山貴央です。
先日、こんな本を読みました。
リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット著の『LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略』
この本には世界的に伸び続ける平均寿命と、それに伴う様々な人生設計の変化について書かれています。
80歳でも普通に会社に行く。そんな未来も私たちが老後を迎えるころには不思議ではなくなるかもしれません。
この本を読んで思うのは、『いかにして健康寿命を延ばすか』ということ。
科学の進歩で寿命が延びても幸せに暮らせる年月が長くならなくては長寿を手放しでは喜べません。
少しでも楽しく元気に活動的に人生を送りたい…
それには漢方の考え方が多いの役立つのではないかと思います。
漢方の世界では老化予防や延命長寿の対策として活血補腎という考え方があります。
活血補腎とは今風に少し砕いて書けば『血の流れを良くして腎が衰えないようにする』ということです。
血は全身を絶え間なく巡り各組織に栄養を与えながら、老廃物の除去も行っています。
つまり、血流が悪くなるということは各組織に栄養が行かない、老廃物が溜まりやすくなる、ということです。
これが脳で起こっているかと思うと怖い事です。
血流が良い10年と血流が悪い10年では老化に大きな差が出ると言っても過言ではないでしょう。
漢方における腎は西洋医学の腎臓とは少し違います。
漢方における腎には、生殖を主る、骨を主る、脳に通じる、水液を主る、耳に開竅する、などの考え方があります。
少し難しい表現ですが、現代風に砕いて書くと
腎が弱ると、生殖機能が衰え、骨が弱くなり、脳の働きが悪くなり、体液が減少し、耳が聞こえにくくなる、とも言えます。
この症状だけでも腎が衰える事、すなわち、老化が進む事、ということが分かります。
もちろん、ほかの臓、肝、心、脾、肺などの働きも重要ですし、気血水のケアも老化予防には必要不可欠です。
しかし、まずは血の巡り、腎の働き、この二つを老化予防のベースと考えて良いでしょう。
血流を良くする漢方薬も、腎の働きを良くする漢方薬も体質に応じて使い分けが必要です。
両親から頂いた唯一無二の自分の人生。
その人生が最後まで素晴らしいものになるためにも、今から『老化予防』をスタートしても良いのではないでしょうか?