加齢による夜尿症、頻尿、尿漏れは漢方の世界では「腎」の強化を考えます
こんにちわ、宇都宮市・天明堂薬局の中山です。
今日は年配の方のご相談の中でも特に多い「夜尿症・頻尿・尿漏れ」など「尿」に関してブログを書いてみたいと思います。
頻尿や尿漏れなど尿のトラブルは、睡眠の質を低下させ、また尿について心配事が増えるため、不安感を引き起こし、
外出を控えやすくなることで運動機能の低下を招くなど、尿漏れ自体の問題よりもそこから派生される問題の方が深刻です。
平均寿命が今後も長くなる予測がある一方で、健康的な生活を送る年数を長くすることも重要な課題と言えるでしょう。
漢方の世界において尿のトラブルは「腎」と密接に関係があります。
腎と膀胱は表裏の関係にあり、腎の働きが低下すると、そのまま膀胱の機能も低下します。
ここでいう「腎」は現代医学の「腎臓」とは少し違う意味があります。
漢方の世界の腎は生殖機能や生命力にも深くかかわる臓のため、女性であれば28歳、男性であれば32歳をピークに加齢と共に衰えていく臓です。
そのため、70歳80歳となると腎が衰えた状態(腎虚)は避けられません。
加齢により腎が衰える→膀胱機能が衰える→尿漏れ、頻尿、夜尿症
という流れになってしまうのです。
腎が衰えている人の特徴は他にも
・腰痛 ・記憶力の低下
・やる気や意欲の低下
などが挙げられます。
そのため加齢による腎虚を防ぐには腎の働きを良くする「補腎薬」がお勧めです。
しかし気をつけなくてはいけないのは、補腎薬にはたくさんの種類があるということです。
テレビなどで紹介されている尿漏れ対策の漢方薬はほとんどが八味地黄丸です。
八味地黄丸は補腎薬の基礎となる六味地黄丸に附子と桂枝を加えた処方で、温める力が弱っている腎虚にお勧めです。
逆を言えば火照り症や、冷えが特に気にならない人には合わないこともあります。
服用する際は必ず自分がどのタイプの腎虚なのかを考慮しましょう。
そういう意味でも専門家への相談はとても重要ですね。
尿漏れや夜尿症は些細な事と思わないことが大切です。
しっかりとした睡眠、楽しい毎日を過ごすためにもぜひご相談ください。
天明堂薬局は栃木県宇都宮市にある1時間に1組の完全予約制漢方相談店です。
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