漢方で鼻炎体質改善
こんにちわ、天明堂薬局の中山です。
秋も深まり空気の乾燥&気温の低下からか鼻水や鼻づまりなど鼻炎のご相談が増えています。
病気と呼ぶほどのトラブルではないにしても、不眠や仕事に影響が出るなど無視できないものですね。
そんな鼻炎ですが、原因は主に3タイプ(厳密には4タイプ)あり、それぞれのタイプに応じてお薬や生活の養生法も変わってきます。
今回はそんな鼻炎について中医学的な解説です。
パターン①風邪侵入
おそらく鼻炎の原因として一番多いのがこの風邪侵入型です。
風邪とは「風の邪気」を意味することで、風邪侵入とは「風の邪気が体に入ってきた」という意味になります。
我々人間は空気を鼻や口から取り入れるため、風邪が一番に影響を受けるのが鼻やのどなど肺を中心とした呼吸器系となります。
このタイプの症状は目がかゆい、目が赤くなる、鼻水よりは鼻づまり、などがあります。
このタイプに使用される代表的な漢方薬は小青竜湯です。
とても有名な処方なので耳にしたことがあるかもしれませんね。
しかし小青竜湯は温める生薬を多く含むため、喉の痛み、口の渇きなどがみられる場合は避けた方が良いでしょう。
その点、鼻淵丸であれば心配なく服用できるので、鼻淵丸は誰にでも利用しやすいかもしれません。
小さな丸薬タイプなので漢方のにおいや味も気にならないと思います。
パターン②肺気虚
このパターンは体質的に肺が弱い人にみられます。
肺には「皮毛を主る」という考え方があり、肺が弱ると皮膚や粘膜の防御力が弱り、風邪の侵入を抑えることができなくなります。
このパターンの人は息切れや風邪をひきやすい、咳をする、顔色が白いなどの特徴がみられます。
このパターンにお勧めなのが玉屏風散です。
「体の周りに立派な(玉)屏風をたてる」というネーミングで、体の防御力を高めるとても有名な処方です。
長期服用する事で体質改善にもなり、副作用の心配も少ないのでお子様や年配の方には日ごろから服用を勧めたいですね。
慢性的な鼻炎であれば、小青竜湯で症状を抑えつつ、玉屏風散で根本から改善するのも一つの手です。
パターン③脾気虚
このパターンは体質的に脾(消化器系)が弱い人に見られます。
少し難しい話ですが、中医学には「脾(土)は肺(金)を生む」という言葉があり、脾の働きが弱くなると肺の機能も弱くなると考えられています。
そのため、脾の弱りは直接的な鼻炎の原因にはなりませんが、鼻炎になりやすい体質になると考えれます。
食欲不振、お腹の張り、軟便、疲労、無気力などがあるのが特徴です。
このパターンはお腹の働きを元気にしてくれる漢方薬がおススメです。
お腹の働きを良くする漢方薬は種類が豊富です。
有名なところでは補中益気湯や六君子湯などがあります。
まとめ
体質的に肺と脾が弱っていると風邪が侵入しやすくなりますので、肺と脾を元気にするような漢方薬を服用しましょう。
それでも鼻炎症状が出てしまったら、小青竜湯や鼻淵丸などで悪化しないうちに改善しましょう。