子宮内膜増殖症と漢方
こんにちは、宇都宮市・天明堂薬局の中山です。
今朝は-4℃と、久しぶりに宇都宮の冬らしい寒さでしたね。
空気も乾燥していて【切れるような寒さ】とはまさにこのことと思いました。
さて、今日のブログは子宮内膜増殖症と漢方について少し深堀して書いてみました。
不正出血や貧血症状の元にもなるので、心当たりがある方はぜひご一読ください。
子宮内膜増殖症は子宮内膜が必要以上に増殖して異常に厚くなる病気で、不正性器出血(月経時以外の出血)などを引き起こします。場合によっては子宮体がんの発生原因となる事もあります。
不正出血や出血過多による貧血(めまい、倦怠感など)が主な症状となります。
子宮内膜増殖症は、子宮内膜の増殖作用があるエストロゲン(女性ホルモン)が過剰な状態になることで生じます。
エストロゲンを主成分とするホルモン剤を内服している外因性、黄体機能不全)や多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)などの内因性が挙げられます。
また、肥満や高血圧、糖尿病なども子宮内膜増殖症になるリスクが高いと考えられています。
そのため、西洋医学的な治療の場合、ホルモン剤での治療や貧血治療薬を用いられますが、ホルモン剤に対し副作用を感じる人が多いのも事実です。
子宮内膜増殖症と漢方
子宮内膜増殖症は漢方において、崩漏(ほうろう)と呼ばれます。
崩(ほう)は大量に出血することを意味し、漏(ろう)は出血がダラダラと続くことを意味します。
崩漏を漢方的に考えると腎の弱りが基本的にあると考えます。
腎は五臓の中の一つであり、生殖を主ると考えられており、腎が弱くなると生殖器の働きが不安定になり、ホルモンバランスが乱れ崩漏、つまり不正出血が起ると考えます。
しかし、出血は腎の弱りだけではありません。
腎の弱り以外にも脾不統血(ひふとうけつ)による出血、血熱(けつねつ)による出血、瘀血(おけつ)による出血など様々な原因があります。
これらはその人の体質によって異なり、また複数の要因が重なる場合もあります。
(例 腎の弱り+脾不統血+瘀血 など)
そのため、自分がどの様な体質なのかを見極めて服用する漢方薬を選定する必要があるため、必ずご相談ください。
まとめ
子宮内膜増殖症の60%は自然に治るとも言われていますが、長引く場合は治療の必要性が出てきます。
ホルモン剤などで副作用を感じやすい人は漢方による体質改善を試してみるのも良いでしょう。