漢方薬 五苓散の上手な使い方
こんにちわ、宇都宮市・天明堂薬局の中山です。
今日は「浮腫みの漢方」として有名な五苓散について解説と注意点を書いてみたいと思います。
五苓散は猪苓、沢瀉、白朮、茯苓、桂枝からなる処方で、主に蓄水症とよばれる体の中に過剰な水が留まった状態に使われます。
「なるほど、水が溜まった状態を良くするから浮腫みの漢方なんだ」というのが一般的なイメージですが、この処方をより専門的に解説すると注意点も見えてきます。
五苓散は主に脾虚による水の流れの低下による症状に用いられます。
冷たい飲食を過剰にすると脾胃が弱ってしまい、水の流れも低下して水湿が溜まります。
脾が弱り、水湿が溜まると霍乱(かくらん)という症状も表れます。
霍乱とは上吐下瀉を起こし、「吐き気もあるし下痢もする」という状態です。
ここまで書くとお分かりのように五苓散は
胃腸虚弱者が冷たい飲食をしたことにより発生した水の停滞、に使用する漢方薬です。
五苓散を服用しても冷たい飲食をとり続けていては効果がありません。
気をつけましょう。
また、五苓散を服用してもあまり効果が感じられない人は脾胃の働きを良くする漢方薬を併用するのも一手です。
浮腫みと言えば五苓散!
こう覚えると分かりやすいですが、その背景に胃腸の弱りや飲食の不摂生が原因にあることを忘れないでくださいね。