『胃腸が弱くて気力もない人』のお守り漢方薬『帰脾湯』
こんにちわ、宇都宮市・天明堂薬局の中山です。
今日は漢方薬の解説を一つしたいと思います。
今日ご紹介するのは『気脾湯』です。
帰脾湯は気血を両方補う『気血双補剤』の代表的な漢方薬で、特に脾気虚と心血虚が目立つ人にお勧めです。
脾は消化器系のような働きに近いため、脾気虚は『消化器系が弱っている状態』と考えて良いでしょう。
私たちは食事から気(エネルギー)と血(栄養)を生成しているため、脾が弱ると気血の生成がうまくいかなくなります。
そのため、脾気虚の人は疲れやすく、倦怠感があり、活動力の低下がみられるのが特徴です。
五臓の中の『心(しん)』の血が不足すると心血虚となります。
漢方における心は心臓のように血を送り出す働き以外にも、『心=こころ』とも読むように脳の働きに近いものがあると考えます。
そのため、心血虚になると、不安感や不眠、驚きやすい、ビクビクしやすい、動悸、物忘れが目立つ、などの症状が表れやすくなります。
帰脾湯は脾の働きを良くして気血の生成を促し、心の働きを良くする漢方薬です。
日本人は冷たい飲食やジャンクフード、生ものを好む傾向があり、胃腸が弱い人が多いと言われてます。
胃腸が弱くて精神的な弱さも気になる人にとって、帰脾湯は『お守りのような漢方薬』にもなりえるでしょう。