『何となく喉元が詰まる感じがする』漢方的原因とは
こんにちは、宇都宮市・天明堂薬局の中山です。
今日は3月並みの暖かさになるという予報もあり、日中は暖房を止めても良さそうですね。
少しずつではありますが、確実に春はもうすぐそこまで来ているようです。
さて、春は季節の変わり目であり様々な不調が出やすい時期でもあります。
その症状の一つに『何となく喉元に詰まる感じがある』というものがあります。
漢方や中医学ではそのような症状は梅核気(ばいかくき)と呼ばれています。
長年、西洋医学では原因不明な症状とされていましたが、近年では【ヒステリー球】と呼ばれています。
喉の周辺を検査しても異物や異常があるわけでもないのに本人は喉の違和感を訴えるためなかなか理解されにくいことが多いです。
この梅核気を中医学的にみると原因は大きく以下の2点が考えられます。
①肝気上逆(かんきじょうぎゃく)
肝は現代でいう自律神経の調節に関係する存在です。
正常な呼吸では、鼻や口から肺や腎に降りてくるのが正常です。
つまり上から下に向かって進むのが本来の呼吸による気の流れと言えます。しかし、肝の働きが乱れると気の流れが上逆(本来の流れとは逆に上に向かう、という意味)してしまうのです。
そのため、息苦しさや呼吸が浅く感じられ、喉の違和感にもつながります。
梅核気の代表的な原因で、イライラやストレス、鬱々とした精神状態の人に多く見られます。
こんなタイプの人はストレスをうまく発散させる漢方薬がお勧めです。
代表的なものは逍遥丸、開気丸、半夏厚朴湯、加味逍遥散、などがあります。
②痰湿による気滞
気温が上がってくると自然と冷たいものや麺類が多くなります。
しかし、そういう食事が続いてしまうと胃腸が冷やされてしまい、消化機能、水分代謝がともに低下してしまいます。すると体の中に余分な水分(痰湿)がたまってしまい、それが喉元に集まると痰が絡んだような状態になります。
舌をみたときに苔のようなものが厚く生えている人はまず痰湿の存在を疑います。
こんなタイプの人は気の流れを良くするのと同時に体の中の余分な痰湿を外に排出する漢方薬がお勧めです。
勝湿顆粒や温胆湯などがあります。
まとめ
梅核気は病気というほどの症状ではないかもしれませんし、あまり気にしてない人も多いかもしれません。ですが、梅核気の症状を感じたときは体からのストレスサインと考えてください。
気温が上がってきても冷飲冷食には十分に気を付けてくださいね!