『キレる』『攻撃的』奥様の性格は漢方的に考えると『体質』が原因だった
はじめに…
当初は帰宅恐怖症になったご主人様がご来店されていました。
「妻が怖くて家に帰りたくない」「家にいても妻となるべく一緒にいないようにしたい」というご相談でした。
ご来店後、ご主人様の心が回復し、帰宅恐怖症を克服できたことで奥様が漢方に興味を持ちご相談いただく事となりました。
以下、奥様のご相談内容です。
【主訴】
外出先では非常に愛想良く振る舞えるが、身内やご主人様にはすぐにキレてしまう。
自分でも些細なことにキレてしまう自覚があったが、治そうと思っても治らない。
酷い時は「キレさせている相手が悪い」という思考になり、後になってから自分の思考の異常性に後悔してしまう。
穏やかな性格になりたいと思い、漢方で内面から改善できることを期待している。
【その他の症状】
疲れやすい 甘い物を欲しがる
几帳面すぎると言われるが、無気力になると全くずぼらになる
理想と現実のギャップに悩むことがある
人の悪いところばかり気になる
眼精疲労 肩こり 頭痛 便秘気味 赤ら顔 火照り 睡眠が浅い 舌が赤い
【考察】
怒りやすい人やすぐに怒鳴ってしまう人、感情の高ぶりが抑えられない人に多く見られるのが気が頭部に上がってしまい停滞してしまう状態です。
気はエネルギーのようなもので本来であれば血と同様に「留まることなく体中を流れる状態」が理想ですが、運動不足やストレス過多、お酒、たばこ、などが原因で気の巡りが悪くなると頭に過剰にエネルギーが溜まってしまいます(エネルギーは上に昇りやすい特徴があります)。
するとエネルギーをコントロールできず暴発してしまい、「怒」の感情が過剰に表れてしまいます。
頭部に気が溜まると「元気」「ハキハキしている」「決断が速い」などの好印象をもたらすこともありますが、悪い意味では「キレやすい」という状態になります。
おそらく、身内やご主人様のように心を許せる相手に対して、つい悪い方向で出てしまったのでしょう。
【漢方薬】
重鎮安神薬(処方名は伏せます)
疏肝理気薬
※毎朝1時間早く起床してもらい、散歩をすること。
※辛い物、砂糖類は我慢する事
2週間分お渡ししました。
2週間後
イライラすることが減って、頭痛も気にならなかった。
朝の散歩がとても気持ちがよく早起きも苦にならない。
イライラしても口調が強くなることが減った、キレにくくなった。
※ご主人様も奥様の好転ぶりに喜んでいた様子でしたので、同じ処方を4週間分お渡ししました。
初来店から6週間後
舌の色の赤みが減ってきた
イライラしないわけではないが、怒鳴ったりキレることはない
体重が少し減った
パソコン仕事中の眼精疲労や頭痛がかなり軽減した
心に余裕が出てきて、人に感謝できるようになった
※ご本人様の状態が良いので、飲む回数や量に関しては自由にコントロールしてもらうことにして、1日3回補肝腎陰薬を飲んでいただくようお渡ししました。(仕事による目の疲れ・頭痛の改善のため)
現在
ご主人様にキレることがなくなり、家庭内の雰囲気がとても良くなっていることに満足している。
漢方薬も服用回数や量を自分でコントロールできるようになって、気持ちの余裕も感じる。
砂糖への欲求がなくなり、ダイエットに成功。メンタルも安定している。
漢方薬は同じものを継続中。
【まとめ】
西洋医学的にも砂糖の摂りすぎは血糖値の急上昇や急降下を招き、イライラやキレやすさの原因になると言われています。
そのため、砂糖を我慢していただき、運動によってセロトニンの分泌を高めることを期待して朝の散歩や筋トレを推奨しました。
現在では本人もスポーツでのストレス発散に楽しみを覚え、漢方薬によるコントロールを減らす傾向にあります。
できれば、漢方薬はとても辛い時のみの服用にしてもらって、普段の心のコントロールは自力で出来るようになると良いですね。
態度や言葉、雰囲気などは体の中から発せられるものと私は考えています。
つまり体の状態が良くない人は、表情や態度も快活にはならない、ということです。
心の問題はもしかしたら体調を整えることで改善できるかもしれませんし、心が改善したころにはきっと体調も良い状態になっているはずです。
健全な体に健全な心が宿ることを信じて、体調管理をしていきましょう。
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