息切れ、息苦しさ、咳を漢方的に考える
こんにちわ、宇都宮市・天明堂薬局の中山です。
前回のブログで心虚労について書きました。
虚労については前回のブログを参照していただきたいのですが、要点を言えば虚労とは『疲労状態』です。
昔の人は『疲労状態』も『一つの病』と考えていたのです。
そのため、虚労に対しては様々な研究がなされ、それに対応する漢方薬もたくさん考えられてきました。
今回の虚労は『肺虚労』です。
肺虚労というと、何となく呼吸器系のトラブルを連想します。
確かに肺は呼吸器系に関わる臓であるため、肺が虚労すると息切れや咳、痰、声が弱い、喉の渇き
などの症状が起こります。
しかし、中医学的な肺はさらに範囲が広く、皮膚や大腸、免疫力にも大きな影響があります。
そのため肺虚労になると、上記の症状以外にも、
風邪をひきやすい、皮膚の乾燥、便秘や軟便、浮腫みなどの症状を引き起こします。
このような症状が気になる場合は肺虚労の改善を第一に考えると良いでしょう。
肺虚労の改善としてまず浮かぶのが玉屏風散(ぎょくへいふうさん)です。
この処方は黄耆、白朮、防風という3種類の生薬からなる非常にシンプルにして分かりやすい処方です。
黄耆と白朮は肺の気を増やして肺を強化してくれます。さらに防風は風邪を防ぐ(邪気を払う)生薬なので、体を元気にしつつ邪気を払うという非常に理にかなっています。
長期的に服用することで免疫力のアップや呼吸器系のアップにもつながるので、小さいお子様で呼吸器系や肌のトラブルがある方であれば将来的な事を考えても服用してみて良いでしょう。
日本では衛益顆粒という名前で発売されています。
漢方薬の魅力は体質改善です。
病気の予防や健康な体の維持にどうぞ取り入れてみてください
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